1605話
地面に落ちた槍の一部は、再生するだろう。前の時も破壊してもいいやつと条件を出していたことから、今回も破壊してもいいものを選んでいるはずだ。
マジックバッグから槍を1本取り出し、手に持つ槍に吸収させる。そして、すぐさま魔法を放ってくるのだった。放った魔法は、白炎だった。追加されたのは光属性の槍だった。
そして、婆娑羅が近づき、近接ファイトが始まろうとするのだった。魔術師と白狼のコンビは死んでおり、残っているのはスケ3と軍師、追加で召喚したカースウエポンだけだ。
銃をマジックバッグから取り出し、乱射する。だが、魔法の一発でその銃撃は無意味となる。ダメだな。わざと婆娑羅から見えるように手に持っていたアサルトライフルを投げ捨てるのだった。
カンカンと、地面を数バウンドさせつつ、飛んでいくのだった。
この無防備な状況を埋めるために、カースウエポンを突撃させる。だが、相性の悪い光属性だ。そのため、簡単に殺されてしまう。
槍が一本取り出され、他の槍が装填される。今度は蒼炎に雷が付与されたのだった。槍を入れたり、取り出したりしているのは、属性を細かく切り替えるためだった。
種がわかったところで防ぐ手段は変わらない。魔力切れが起きない原因も大体予想がついた。ユニーク武器の婆娑羅の戦闘スタイルの元になっている槍を束ねる槍だ。その槍に込めることができる本数は10本だった。嘘かもしれないけど。
その10本のうち、数本にすることで魔力の消費を抑えているのだった。あと、魔力操作の技術も上がっていることから、魔力消費を抑えることもできているのだ。
理論上、全ての属性を混ぜることができるのだ。弱いわけがない。だが、もう終わりだ。目の前にバリアを作り出し、婆娑羅をその内側に閉じ込めるのだった。そして、その周囲からダークボールが浮き上がり、爆発する。
すぐ透明になるはずの煙が、バリアの中で集中し黒色の煙で内部が曇るのだった。もう婆娑羅の姿を見ることはできないほどだ。
(密集していると持続時間が上がるのか・・・)
覆われていることで空中に霧散せずに、漂い続けることになる。そのため、効果が残ったままになるのだった。
バリアを外さずに放置していると、急にその煙が晴れる。婆娑羅が風魔法を纏った槍で薙ぎ払うことで、煙を霧散させたのだった。だが、煙を吸いすぎた影響かか少しふらついている。
判断力はよかったんだけどな〜。背中に装備されている1本の槍が光り輝く。それと同時に影が伸び、そこから影の魔物が召喚されるのだった。
バリアの強行突破の手段があったのだ。なぜか、このスキルの影響でバリアが強制的に破壊されてしまった。異物が通り過ぎた判定になったのだろう。
流石にそれは知らない。その影の武将は、俺に攻撃をするために向かってくるのだった。婆娑羅に近づかせないための作戦だろう。振り下ろされる刀を受け止め、即座に光魔法を放つことでその魔物を殺す。残る婆娑羅との一騎打ちになるのだった。
もう魔力切れも近く、属性も使えない状態だろう。ただの飛行する槍数本と婆娑羅のコンビ対俺、軍師、スケ3、カースウエポンと圧倒的な人数の差だ。この人数差を埋めることはできないだろう。
婆娑羅は少しでも煙を吸ったことによる意識の混濁が起こっている。チェックメイトと言うために軍師が近づく。そんな軍師の喉元を槍で突き立てることで殺すのだった。
その顔は満面の笑みだ。煙を吸ったふりをして釣ったのだ。それにまんまと引っかかった俺が愚者だっただけだ。
だが、無理だと判断したのかギブアップを宣言するのだった。もし槍が飛んでくるのなら、全てにグラビティーをかけないといけなくなり、魔力的にも余裕がない。だから、まだ助かった方だ。と決着がつくのだった。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




