1592話
仕切り直しとルールを伝え、婆娑羅とスケ3の戦いが再開される。そして、RI001の方は訓練内容を立体的な的当てから、目の前にある的への的当てに切り替えるのだった。互いに干渉しない訓練をして、その配信は終わるのだった。
「あいつには何かないのか?」
婆娑羅が指刺すのは、アポロだった。仕事も何もないため、会話に混じることもない。
「教えることがないからねー」
土操作の基本は想像力だ。正直、捕縛に制限するよりも臨機応変に立ち位置を変え、捕縛や攻撃といった多種多様な攻撃をとる方がいいまでもある。だが、捕縛やアシストをすると選んだのだから、殺す方法はあまり教えてはいけないだろう。
ソロであれば、様々な攻撃手段を有しているのが基本だ。そのため、ソロであれば教えてもよかった。だが、パーティーに所属している人に教えてしまうと、パーティー崩壊の元となってしまう。
捕縛という役割があるのに対して、自分攻撃もいけますとパーティーに入る。だが、体は1つなためどちらかの役割しかこなせない。そうなった時の皺寄せはパーティーメンバーだ。
役割ができないことで起きる対策を立てるために、作戦変更が起きる。その役割がこなせていないものだけのせいで起きるのだ。気分次第でその役割が変わる場合もめんどくさい。その気分を予測して行動をしなければいけないのだから。
攻撃手段を得たことでの最悪な形だ。生善説を掲げるのなら、そのことには口を出さず、その人以外での団結をし始める。そして怒りが溜まり爆発することでのパーティー崩壊だ。
本人は崩壊した原因すらわかっていないだろう。だから、パーティーを崩壊させないためにも教えない。それよりも捕縛以外の役割もあるだろうに、それすら見つけることができていないのだから、教えても意味がない。
パーティーとして初心者の集まりで、誰がアタッカーとかも決まっておらず全員がアタッカーであれば、あのセバストたちのように攻撃性を教えて頭を1つ出させることができる。
だが、パーティーの役割がまとまっている状態でするのが良くないというだけだ。教えることはできても、生かすことができない。能力と思考力の無駄だ。
「教えることがないって、教えることができる場所はあるだろ?」
「例えば?」
「捕縛方法」
「思考能力を奪うからダメ」
捕縛箇所を指定されている可能性がある。足で機動力を奪うのか、武器に絡みつくことで攻撃性を無くすのか、その辺りがあるだろう。言われた通りにする。それも正解なのかもしれない。それだけだと上には進めないもの事実だ。
「ああ!!考えるのめんどくさ。うちが勝てば教える、負ければ教えないでいいだろ?」
「いいけどさ」
そういえばアポロはコボルト相手に捕縛ができても、殺すまでは行っていない。なんで不殺を心掛けているのだろう?殺すのが怖いからか?
この戦いは勝っても負けても正直どっちもでいいかなー。どーでもいいの方が正しいか?
「いつするの?」
「明日」
「配信は?」
「する」
配信として証拠が残るのか。適当に戦って終わるか。
「あと、ルールを追加する」
「土操作を使えとかでしょ?わかってるわかってる。じゃあ、また明日」
勝っても負けても見本となるような戦闘をしろと言いたいのだろう。見せることでためになるのかもしれないし、勝っても負けてもアポロにとってはためになるからだろう。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




