1588話
次はグラビティーの能力チェックだ。まずは、通常のグラビティーの確認だ。重量が重くなるだけで終わる。といっても誤差の範疇に過ぎない。もちろんグラビティーを付与したり、即解除をしたりもできる。この魔法が一番強いのかもしれないな。
攻守ともに優れている魔法だ。有効な敵は、大剣を扱うものや鎧を装備しているものだ。もちろんステータスは筋力に振られているだろうから、誤差と認識するのかもしれない。
まあ、とりあえず、その考えがうまく行くのかの実験をしようか。30階層のオークパーティーのところに移動をする。まず、実験をしたいのは飛び道具に対してだ。魔法弓のような実態を持たない攻撃であれば、この魔法は意味がないのだろう。
30階層に入ってすぐ、放たれた矢にグラビティーをかけるのだった。だが意味はなく真っ直ぐ飛んでいる。弦を弾く力が強いことから、少ない重力を付与されたところで落下していくのは俺を通り過ぎたところになるのだろう。
重力を付与するのなら、倍以上が必要になる。・・・弓系を落とすのは現実的ではないか。普通にシールドで受け止めたほうが確実だ。これ以上この個体で検証する意味がない。あと、武器持ちが少なかったことから、オークを銃で殺しリセットをするのだった。
ということで2周目だ。今回は大剣と槍持ちのオークがいる。槍の検証もしたかったが、1番行いたいのは大剣を持っている個体に対してだ。ちょうどいいから行うか。
それ以外のオークを全滅させ、準備ができるのだった。その間にオークは近づいてきており、大剣を地面に叩きつける。それを後ろに下がりつつ避け、その大剣に対してグラビティーをかけるのだった。オークの力では、持っている大剣を持ち上げることができる。腕の血管が浮き出ていることからぎりぎりなのだろう。
だが、腕の力だけで持ち上げるのは無理なのか、振り上げ担ぐようにして持ち上げるのだった。このタイミングだろう。グラビティーを解除し、オークにマジックプロテクトを付与するのだった。
グラビティーが解除されたことで軽くなり、元の速度で持ち上げることができる。さらにマジックプロテクトにより、大剣がさらに軽くなるのだった。その結果、オークの振り上げる速度は急激に上がる。
力が入っていたことにより、その振り上げる速度は瞬時に速くなる。両手でもち、担ごうとしたがスピードが速い。その結果起きるのは自滅だ。振り上げた大剣がオークの肩に突き刺さる。特に反応はなく、冷静なオークだった。
その大剣を体から抜き、構えるのだった。そして、軽い力で薙ぎ払いを行う。そこにグラビティーをかけるのだった。手に力が入っていなかったことで、大剣が手からすり抜け飛ばされていく。そんな武器がなくなったオークにとどめを出す。
そして、4周目のことだ。槍を持っているオークが居たため、やりたかった検証を行う。それは、槍の先端だけを重くすることができるのか?だ。基本的にグラビティーは武器全体にかかるように設定している。
だが、武器の一定部分にかけることができれば?武器の本調子を見失うはずだ。槍は振り回すことから余計に遠心力がかかり、体がキツくなるはずだ。
だが、検証の結果、その考え外れているのだった。槍は持ち手が後ろになればなるほど、手から離れやすくなる。そのため、しっかりと握られていたのだった。遠心力に体が振り回されることはあるが、武器を手放すことは起きない。
まあ、十分な隙なので、問題はなく殺すことができるのだった。武器持ちには有効だな。・・・遠距離でポーションといった補助アイテムを投げてくる敵がいたのなら、その投擲したものにグラビティーをかけるのがいいだろう。
そんな敵は今まで出てきていないから、それほど気にする必要性はないはずだ。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




