1586話
今の問題は近接戦闘でのレパートリーが狭いことだ。攻撃をするのはいいが、その手段が刀だけに制限されている。魔法のブラフを再び使うべきか?いや、あのブラフは魔力不足を補うために作ったものだ。
魔力が有り余るのだから、そんなブラフはいらない。必要なのは近接でも魔法を使うことか?体にタネでも仕組んで、発芽させることで奇襲を仕掛ける?いや、痛みから俺の攻撃が鈍るからなしだ。やるなら敵に埋め込む。
あと、戦闘で使っていないスキルもあるから、それを組み合わせても良さそうだな。投擲武器生成なんかも使っていない。暗器を生み出す機会がないのだ。爆弾ならよくあるんだけどなー。手数が多すぎて選択肢を絞れていないのが原因かもしれない。
訓練場の扉が開く。そこからやってくるのは、3期生の合計20人程度の集まりだった。20人っていう大人数を生かした配信をするのだった。訓練配信という名目で、パーティーをごちゃ混ぜにした配信を行うのだろう。
邪魔にならないように騎士の召喚を取りやめ、画面外からステータスを見る。無属性魔法がレベル10になっているくらいしか大きな変化はないのだ。だが、無属性魔法が上がったところでシールドしか使うものはない。
レベルが上がったことで獲得をした魔法はバリアだった。守るシールドを半円で作り出すスキルのようだ。特徴としては、侵入はできず魔法や剣からのダメージも防ぐと言った感じだ。壁に押し出すことができれば、圧死ができるだろうと考えた。
だが、出してからは固定され動かすことができない。言うなれば、結界術の球体バージョンといったところだ。全方位からの魔法攻撃があれば防ぐことができるだろう。
そんな全方位から魔法を撃たれる場面なんて滅多にこない。このスキルが手に入ったのはレベル8の時だった。9になった際にはこのバリアが強化されるものだ。
そこからは長かった。そしてやっとのことレベルが10に上がったのだった。そう、レベル10になったことで解放されたスキル。それはグラビティーだ。重力付与をする魔法だ。
射程は短く、魔力消費も大きい。グラビティーにかかったとしても、騎士には誤差のようで動くことはできる。そんな魔法だった。シールドで近接戦闘をしつつ、重力を増やすことでデバフを与えスピードを落とすといったものだろう。
・・・カースウィンドで十分だろ。(スピードダウンのデバフ)ただ、武器につけることができれば強いなとは思った。まあ、その指定は人なのかものなのかによるな・・・。結論、あまり使えない。
その副次的な効果として、空間魔法が解放された。その空間魔法を取ることができる条件は、光魔法と闇魔法を賢者まで行くことだ。やはり、上位の魔法を解放するには賢者になるのが最低条件か・・・。全ての魔法を賢者にした時にどうなるのか楽しみだな。
軽く打ち合わせが終わったのか、後輩たちが配信を始めようとしていたのだった。そのため、この場所を後にするのだった。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




