1585話
その配信が終わってからの次の日のことだった。訓練場にやってきた。その目的は、久しぶりにいろいろな武器を使おうと考えていたのだ。騎士を召喚して、軽く手合わせをしてもらうのだった。もちろん武器の刃は潰している。
まずは、槍と言えばいいのか、棍と言えばいいのかわからない武器だ。槍の先端を潰せばただの棒になる。この場合だと、棍が正しいか?まあ、どうでもいいことだ。俺が攻撃を仕掛け、騎士が対処をする。そんな役割分担をしているのだった。
双頭槍をスライム金属で作り出すのだった。先端は全て細長い球体に変わってる。五角形でもよかったが、殺傷能力が上がってしまう。そのため、両方の刃を潰すことにしたのだった。
まずは横への薙ぎ払いから始まる。だが騎士は後ろに下がることでギリギリ攻撃範囲から逃れる。空振りをした反動を生かしつつ、持ち手を上下で切り替えるのだった。そこから数歩前に出ての振り下ろしだ。十字に腕を組み、受け止めるのだった。
こうなれば魔法を使うな。まあ、今回は魔法は使わないのだから、このまま継続だ。奥の方に持ち替えて足払いをしたときには、刃を潰しているところを持ってしまっている。この使い方はなしだな。
一旦、やり直しをする。やはり固定観念をもとに武器を使うのは良くないだろう。この武器から想像できない動きができることが、自由に変形できる武器を使う上での最大の利点だ。
試すのは十文字槍だ。双頭槍よりも使いやすいだろう。基本的な使い方は変わらないが、こっちの方が薙ぎ払いの時に、十字になっている出っぱりが刺さり威力が高い。
十文字槍を使いつつ、石突きで突きを出した。その瞬間に十文字槍の穂先を取り出し、ブーメランのように投げる。この戦い方は良さそうだと思うんだけどなー。だが、騎士に受け止められるのだった。そして、地面を転がすようにして投げ返される。
受け止められるのであれば、暗器として使うよりも鎖とかで繋いでモーニングスターもどきを作る方がいいのかもしれない。振り回すことで軌道を変え、掴まれにくくする。それがいいだろう。
長くすればするほど、動きが複雑になり掴まれにくくなる。だが、その分コントロールが必要となってくる。投擲をするのなら、今よりも小さいクナイや手裏剣のような存在がいいだろう。わざわざ、大きくて見やすいものを使う理由にもならない。
手裏剣は拾いに行くのが大変という理由から使っていない。それなら、帰ってくる手裏剣でも作ればいいのではないか?
手裏剣の1部の先端に火薬をセットし、手裏剣を投げ引火させる。爆発はしたものの、帰ってくることはなかったのだ。爆発した衝撃で回転が死に、地面に落下していく。ロケット花火のように爆発的に加速させるのはどうだ?
と思いやって見たところ、方向が変なところに飛んでいくのだった。回転をすることで重量の偏りが細かく変わることを忘れていた。それプラススピードが上がったことでそのズレが大きくなるのだった。
2箇所に火薬をつけた時だと、重心のバランスは安定しまっすぐ飛ぶようにはなる。だが、花火のように火花を出しながら飛んでいくため、暗器にはならない。・・・何のために作っているのやら、とテンションが落ち着き通常の状態に戻るのだった。
伸び縮みをして、攻撃範囲を分からなくするだけでも厄介だ。そのため、形を決めつけない方が強いのかもしれない。そう考えるのだった。
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