1575話
低空を飛行してから、その鷲は空中に飛び上がるのだった。咥えて俺がぶら下がっている方をマリアたちに見せることで魔法を放たれないように工夫をしているのだった。肉壁だ。
狡猾なやつだな〜。そして、ウィンドジャベリンの一方的に打ち込み始める。この鷲がこの作戦の有効性に気がついたのか、俺を手放すことはない。腕の自切か?それだと、手につけていたグローブが鷲に取られてしまう。
結構高いところまで持ち上げられてしまった。手を放されると危ない場面になるな・・・。降りるか。装備材質を金属鎧に変化させるのだった。それに伴い、魔力消費をするものの、材質が金属に変わり重量が上がる。
持ち運ぶことができない鷲はこのまま落下をし始めるのだった。だが、俺の体をクッションとして下敷きにするつもりだ。嘴を開け、俺を解放するという選択肢はないらしい。
どうやって地面に叩きつけられないようにするか。噛みつかれている鎧の部分を「見た目変化」により膨らます。嘴が開いていくのだった。そして、元の大きさになることで嘴から俺の腕が解放される。噛まれていない方の腕で、足を掴んでいるのだった。
道連れは確定だ。スライムを地面に向けて大量に放出していく。スライムの体がクッションになればと思い召喚しているのだった。
体を寝転がし、体勢を変える。自然落下は確実だろう。地面と直撃をする瞬間に分身体を召喚し、入れ替わる。分身体とスライム、鷲が叩きつけられたのだった。
すぐに鎧状態を解除し、元の軍服と白の手袋の状態に戻るのだった。見た目と重さだけが変化し、それ以外のついているスキルは何も変わらない。もしあのまま鷲と共に地面に叩きつけられていると多々では済まなかっただろう
(この仕組みを使って、分身体で人間メテオとかしても面白そうだな〜)
分身体を召喚して着ている服を鎧に変え、上空から突き落とす。そんな作戦だ。他にも、相手が重装備なら、軽装備のビキニとかに変化させても面白いだろう。能力がそのままだから、防御力が高いところは守られているところだけだ。
実に面白くいいスキルを生み出したものだ。
「まだ、生き残っているかー。マリアやっちゃえ」
戦闘に介入するつもりはなかったが、絡まれたのだから仕方がないのだ。まあ、婆娑羅も介入したのだから今更だろう。そのまま、マリアが魔法を飛ばし鷲を殺したのだった。
そして、俺は正座をさせられているのだった。・・・なぜに?マリアはドロップの回収をしているのだった。
「わざとだよな?」
「どのタイミング?」
最後の鷲が死ななかったのはたまたまだ。分身体と入れ替わったことで質量が軽くなったことにより抵抗された。そのため生き残ったのだ。だから、それは関係ない。
「最初から」
「何も意識してなかっただけだから大丈夫だよ」
今回は何もするつもりがなかった。だから、全く動いていなかっただけだ。
「刀を持っていれば、簡単に殺せただろ?あと、連れ去られてすぐに魔法を撃つこともできた」
「試したいスキルがあったからかなー」
「そういうことにしといてやる」
わざと武器を装備していないことで、非戦闘員だと思わせる。そうすることで、鷲からの攻撃が向くように動いていたと勘違いされたようだ。まあ、ボディーガードに向かないようにするために、その意図はあったが黙っていてよかっただろう。
「ドロップは要ります?」
「いらないから、マリアの全取りでいいよ」
鳥だけにとか言わなくてよかった。何人かはピクっと肩を震わせていた。ツッコミがないことから気づかないふりをしたのだろう。スキルブックの他にも魔石や羽があったが特にこれというものではなかった。
「幻影のスキルブックも出ましたよ?」
「幻影」のスキルも手に入った。だが、黒色の同じ大きさのものを生み出すとされていたのだった。立てていた予想と違うのと、マリアの影の魔物との相性は抜群だ。
「思ってたのと違うから、マリアが使いな〜」
「これなら影の魔物が強くなるだろ」
スキルブックもマリアのものになったのだった。
ということで目的だったカラス?の討伐も終わったことだ。連日の配信だったことで今日は短くしていいだろうと判断し、40分の配信で終わるのだった。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




