156話
さて他にできる時間稼ぎだが、落とし穴ぐらいか?火魔法が使えると、周りを囲って孤立させるのだが、火魔法の被害とその事後処理を考えると絶対に使いたくない。絶対に起こるのは感謝でもなく、なんで家まで燃やした!?という怒号から始まるのは目を見るよりもあきらかだ。そのため、火魔法は使うことができない。
この状況で火魔法を使う人がいたなら殴ってでも止めよう。そんなことを考えながら、殺されたゴブリンを殺された数だけ召喚して補充をしている。もっとたくさん召喚したいのだが、コマンダーが指揮できるのはこの程度だろう・・・。そしてあのヘリコプターが来てから体感1時間が経とうとしていたのだが、まだ自衛隊の援護がこない。
さらに最悪なことに魔力が切れかかっている。回復もしているのだが、その分よりも減るスピードの方が早い。そのため魔力の回復量が間に合っていない。攻撃を受けていないのはいいことだが、これでは時間がかかりすぎる。まだ悪魔召喚をする機会ではないな・・・。
見られている人が多すぎる。いざとなれば異端者として殺しに来られるかもしれない。そのため、悪魔は召喚できないな・・・。たまに空中からアースランスを飛ばして肩に当てることはしている。だが、狙っている頭には当たってくれない。しかもその威力は高いはずだが、その皮膚に軽く刺さる程度で深手を負わせたとまではいかない。
物量作戦で押し切れたらいいな程度に思い召喚をしているのだが、戦闘時間は伸ばすことができている。相手のスタミナ具合が気になっている。これで全くスタミナが切れていないとなると、魔力の無駄遣いだったなとなるだけだ。
そう思い観察をしているのだが、だんだん動きのキレがなくなってきている。少しづつではあるがゴブリンの攻撃が当たるようになってきた。これにオークがスタミナ切れが近いと感じればいいのか、ゴブリンが強くなったと考えればいいのか・・・。
今のゴブリンは全てがリーダー個体で埋め尽くされている。通常のゴブリンは避けたり受け流すことはできずそのまま殺されていく。その結果残ったのは、他のゴブリンよりも強いリーダーか職業持ちだけになった。
「ん?」
何やらゴブリンが空を舞っている。そのため少し警戒体制に入る。そのゴブリンだが、だんだん俺の方に飛ばされてきているのがわかる。おそらくタックルだろう。その目的は俺や部長の方だろう。
誤字脱字があれば報告していただけると幸いです。




