1568話
案件配信が終わったわけだが、特に面白いことは何も起きなかった。ただ、魔物相手に実験をする案件が増えているらしい。魔物にその毒が効くのかどうかの確認のようなものだ。特に今はカースウエポンに麻痺毒は効くのかが気になっているようだ。
毒となれば、別に他の人でも扱うことができる。そのため、俺たちが中心として受ける必要はないだろうと考えているのだった。最近では、食料品の案件は後輩たちに行くようになっている。来るとしても実戦で使うことができるようなものが基本だ。
他の人が経験していた案件を調べていたが、基本的に武器や回復、毒、食糧のような案件が多い印象だった。中には、パーティーのマッチング用アプリの案件も存在しているようだ。そして、面白そうな案件があった。
それは機械の設計をしている会社からの案件を受けている動画だった。戦闘補助の機械を作ると言うコンセプトはよかった。だが、戦闘ができる人がいなかったことで、案が出てこない。そのため、配信者にどんな機械が欲しいのかの配信を行っていたものがあった。
遠隔で魔法を撃つ機械や行動を予測するようなゴーグルといった、現在の技術で実現することが不可能なアイテムが出てくるのだった。さらには敵との勝率を予測するAIだったり、スナイパーライフルを装備しているドローンだったりしている。
勝率を予測するAIならまだなんとかなるだろう。だが、勝率を予測するのにあたり、敵が装備している武器、魔法、スキルが必要だ。一番重要なのは、自分達の戦い方を理解することだろう。だが、このどれもが現段階で実現不可能だ。
情報が足りない。あと、AIなことから間違いが起きるのは確実だ。それを被った人たちは、作った会社を批判するだろう。だから、会社は作らないと判断したのだった。
結局作ることができたのは、ドローンとスナイパーライフルを合わせたものだ。だが、欠点が存在している。それは自分で操縦して銃を発射する必要があるということだ。本来の目的は、自分で操縦しなくても発射してくれるというものだ。
全てがAIによる弾道計算や方向転換、射線の管理といったものを任せるつもりだったのだろう。だが、狙っていたものができなかった。普通に考えれば、AIが判断を間違うリスクや人間の予想外の行動に対応できるとは思わない。
人間でさえ「普通この行動とるか?」と思ってしまうことがある。AIがその行動を予測することができるなんてまだまだ先の時代だ。そのため、誤射をする可能性が発生する。それをなくすために、AIの搭載はしていないのだった。
だが、配信主の方は、満足のいく結果でなかったことから、癇癪を起こす。そして、配信を見ているものを動かし、炎上させようとしていたのだった。だが、他社がこのドローンの有効性に気がつく。
この銃の最大の利点は、戦えない人でも扱うことができるという利点だ。それにより人海戦術でドロップを回収しようとする会社が現れ始めていた。
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