1562話
マリアは魔力消費を無視して、魔法を飛ばすのだった。長距離重視の魔法だ。幻影の奥にいるカラスを狙い、魔法を飛ばすのだった。そして、全てのカラスを殺すのだった。魔法により貫かれ爆発し、飛ぶ力がなくなったカラスが落ちてくる。
爆煙が消える頃には、殺され数が減ったはずのカラスが復活しているのだった。まあ、殺されたカラスは全てが幻影だろう。狙うのなら、幻影を生み出すことができる存在だろう。幻影の見極め方は知らない。本来であれば、黒い体として幻影は出ている。
だが、カラスの見た目が黒いことから、幻影の能力と相性がいい。それにより、本物がどれかわからない状態になってしまうのだった。運ゲーが失敗してしまうのだった。
定番であれば影があるかないかで判別するのが理想だろう。カラスの黒さで影があるのかもわからない、対処の使用がないだろう。もし、あの魔法で全てのカラスが死んでおり、あの上空には本物がいない可能性もある。
だが、それを確かめる術は、魔法を当てるしか方法はない。魔力消費が大きくなって詰みになるな。カラスの性格が悪いことで。十中八九、森の中にカラスがいるのが基本だろう。カラスが鳴く時は決まって森の中で響いている。
幻影で撹乱をするのが目的なら、俺も森の中で謀殺する。魔力消費が目的なら、この方法が基本だろう。今までの行動から、魔力消費を増やすことが目的だろう。今日はここで退散だろう。怪我人もいるし、魔力消費から40階層を攻略するのも危うい。
「退散!」
カラスが落ちてくる中、幻影を見たマリアはそう判断をしたのだった。全員が反転をしつつ、俺と婆娑羅は最後に出ていくのだった。初めての退散がここだな。もう少し早くしても良かったのでは?と考えてしまう。
唯一の攻撃手段が効かなかったのだ。引く判断は正しい。レアボス以上は確定だろう。カラスたちを操り、最初から空中にいるパターンなんてない。あったとしても待ち伏せからの奇襲だ。レアボスなのか、ユニーク種なのか。
ユニーク種であれば、殺した時に大きな収入になる。他の人たちがやってくるのは確実だ。ここで奪い取るのがいいのか、発見者であるマリアの攻略を待つのか・・・。どちらが正しいのだろうか?
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36階層に対比するのだった。持っているマジックバッグからポーションを取り出し、その切られた足や腕にふりかけ、傷を治すのだった。車椅子生活は確定だ。
「マリアよ。勝ち目はあるの?」
「・・・森の中に本体がいると思います。おそらく隠密持ちでしょう。見つけることができないのでギブアップですね。魔力的にも40階層もこのままでは無理ですし、今日は諦めます」
「とりあえず、謝罪をくれよ!」
「誰に対しての?」
「俺たちボディーガードにさー」
その手はマリアを掴もうとしているのだった。だが、周りのボディーガードがその発言者の片腕を切り落とす。そしてすぐさまポーションをかけ、傷を直させるのだった。いい連携だ。練習させられていたのだろう。
「お前たちもこいつらの味方かよ!!」
「マリアも謝る必要もないからねー。自己防衛もできなかったのだから、この人たちが悪いと思うよ?これが理解できないのなら、探索者に向いていないと思うよ?」
目に見えない速度の魔法で攻撃をきたとかであれば仕方はない。八つ当たりは良くないが、その場合は怒ってもいい。
だが、今回は実態を持った敵がわざわざしかいないから降り注ぐ攻撃だった。多く人がいる中、警戒はしているだろう。だが、攻撃が当たる。その方向を警戒していないものが悪い。
どうせコミュニケーションエラーか気の緩みだろう。自分の責任だ。だから、人に当たらず、消えて欲しいものだ。他のボディーガードはマリアに対して平謝りをしているのだった。
あの経験は生きているようだ。アホだと思ったら黙らせろ、いいことだと思う。気分や空気が悪い。そのため、さっさと締めに入り、配信を閉じるのだった。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




