1561話
カラスが1匹死んだだけで、1人が重症と圧倒的フリな状況になる。まあ、判断はマリアがするのであって、俺や婆娑羅がするわけでもない。というか、あの負傷はボディーガードたちのせいだろう。
カラスは、千切られた腕と片足を持ちつつ空中に再びそれに大量のカラスが群がる。森にいたカラスも飛び上がるのだった。その肉に群がり、全てを喰らい尽くすのだった。そして、バラバラにされた布がふわふわと風に揺られながら降りてくるのだった。
回復薬での再生を許さないための方法だ。これにより、回復させようとするのならエリクサーが必要になる。永遠の部位欠損が確定だな。空中からの攻撃が有効的だと判断したのか、森にいたカラスは全て空中に浮くのだった。その数、計40体だ。幻影と実態を合わせた数がこれだ。
生成をしているのがユニーク個体だろう。それがどの個体かわからない。だが、幻影を出すにも魔力は使うはずだ。それにより、耐えることで魔力切れを狙い最終的に殺すこともできるだろうと考えている。まあ、それまでにボディーガードは持つのかという不安がある。
半分の20羽のカラスが落ちてくる。狙いはもちろん、固まっているボディーガードに対してだ。そのカラスに対して、マリアが魔法を放ちカラスを2羽落とすのだった。慎重派のカラスなのだろう。それによりまだ、助かっている部分がある。
マリアも魔法の射程を伸ばすことができれば、瞬殺できるだろう。だが、その分魔力消費が大きくなる。普通に考えて、40階層の攻略は不可能だろう。だから、マリアはどうするべきか悩んでいるのだろう。一斉に攻撃をするか、少しずつカラスの数を減らすことはできているのだからこの状態を持続するか。
カラスが下に飛び降り地面スレスレで飛行するのだった。腕を取られたことで警戒心が上がり、全員がカラスの方を見ている。このタイミングだった。40羽の全てのカラスが落下してくるのだった。まるで、黒い槍だ。
全員が真下を見ており、落下後の地面スレスレの攻撃を狙う。だが、この攻撃をマリアは見ているのだった。一瞬だけ下を向き、カラスが攻撃をしてこないことを確認すると上を見ていたのだった。
カラスの思考は、数の有利により死なないように戦うことだ。そのため地面を飛行するカラスの動きは、一撃離脱となっているのだった。
その40羽のカラスに、マリアは1つの魔法を放つ。魔法が飛んでくることはカラスたちもわかっている。だからその魔法を避けるように動く。そしてカラスとすれ違う直前で魔法が弾け飛ぶ、全てを狙い打つための魔法だ。だが、飛んできていたカラスは全て、幻影だ。幻影の裏にゆったりとカラスは飛行している。
幻影に魔法が当たり、揺らむ。その時に揺れた隙間からカラスの姿が見えるのだった。魔力を使わせることや戦い方を確認するためのただの誘導だったのだ。魔力消費をした状態でマリアはどう対処する?
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




