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ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた  作者: ひまなひと(ご飯食べ隊)


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1557/1633

1556話

 深い眠りにつき、次の日になった。そして、午前中は36階層でカニを乱獲していた。夕方には網を広げ、カニを乗せ焼いていたのだった。ガサガサと目の前の茂みが揺れる。魔法の準備をしつつ、すぐに放つことができるように構えていた時だ。


 そこから出てきたのは、宮本と无緡むさしのペアだった。確か43階層の攻略をしようとしていたはずだ。両手を上げている。攻撃をする意図はないようだ。


「いい匂いに釣られてな・・・」

 宮本の目線の先には、バターの海の中で泳いでいるカニがいるのだった。そこに胡椒とニンニクをかけ、カニを食べる。


「一緒に食べます?それよりも配信は?」

「ああ、一緒させていただこうか。配信か・・・今しているけど大丈夫?カメラにはまだ写っていないけど」

「別に問題ないですよ」


 无緡むさしは何も話さないのだった。寡黙キャラなのか、コミュ障なのか。と思いきや、宮本に耳打ちをする。

「こいつも、その心意気、誠に感謝するってさ」

「コミュ障ですね」

「いい加減解決してもらいたいけどなー。カメラマンとか呼んでくる」


 宮本が現れた場所に戻っていき、再び顔を出した時にはカメラマンがぞろぞろと現れてくるのだった。そのカメラマンたちに手を振るのだった。カメラマンとボディーガードの面々が現れる。・・・カニ足りるか?


「野生の魔王が現れた。・・・魔王からは逃げることができない!ってことで、遊び人のバルバティアがやってきたよー」

「そういえば相方は何処に?」

「何してるんでしょうね?ソロできたのでよくわかりませんね。そういうお二人ふたりは何をしにこの階層へ?」


「レベル上げついでに晩飯の調達。そっちは?」

「カニが無性に食べたくなったので・・・、カニを食べにってところですね。足りなければ調達に行ってもらいますよ」

「大丈夫、ドロップはあるから」


 そう宮本が言っている。そして无緡むさしがマジックバッグの中からカニの爪を少しだけ見せるのだった。


「男三人が集まればするものといえば・・・」

「裸おどりですね。さ、踊ってください。演奏はしますよ」

「ちげえよ」


 服を脱ごうと持ち上げていた无緡むさしの腕が止まる。だが、誰もツッコミを入れないのだった。気がつかれていないのだ。

「ならカードゲームですか?」


 マジックバッグの中から、トランプやUN◯を取り出す。

「いや、マジックバッグの中何が入ってるの!?管理とか大変でしょ?それよりも残念、ハズレー。答えは、恋バナでした。相方やパーティー内に女性がいることが多いから、こんな男子だけってのは珍しいでしょ?」


 恋バナかー。

「この中に恋バナのネタがある人いる?」

 静まり返る。


「じゃあ、この話は終わりですね」

「恋バナとかしたことないんだよ。だからやってみたいなって・・・」

「イケメンだからてっきりモテているものかと」

「高校が男子校で、大学も異性が少ないところに行ったから・・・」

「ご愁傷様です。カニ焼けましたけど、食べます」

「そんなことよりも、恋バナを」

「じゃあ、カニは要りませんね」

「いるいる、いるからさー」


 恋バナは自分が語らずにコメント欄に語らせるのが楽しいのであって、自分から開示していくのはちょっとな〜。

誤字脱字があればしていただけると幸いです。

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