1554話
まあ、終了だな。カースウエポンと残っているコボルトを消し、マリアの魔法が通過していくのだった。数秒のうちに破壊できていれば、それで終了だっただろう。だが、数秒で破壊できなかったのだから、マリアの敗北は確実だ。カースウエポンが消えたことで、困惑しながらマリアは俺の方を見ている。
頭の上に両手をクロスさせバツを作る。そして、婆娑羅の方に戻るように指を刺し、指示を出すのだった。そして、婆娑羅のところに戻ってくるのだった。
「・・・性格悪いな」
「褒め言葉をどうも」
帰ってきてすぐに、婆娑羅から褒め言葉が出る。数を操ったり、指揮を取ったりするものにとっては褒め言葉だ。愚直に攻めるよりかはいやらしい手を使う方がいい。
「今回の重要だった魔物は何だと思う?」
「コボルト?」
「正解」
しっかりと記憶に残し、考えていたようでよかった。
「コボルトの後ろについていくよう命令をしていたからね。おかげで左右のカースウエポンの指揮が楽になったよ」
「撃ち落とされる可能性もあっただろ?」
「その時はその時よ。カースウエポンを狙うならスピードを上げる必要があるからね。魔力消費が大きくなるから、一定距離まで近づかないとあまり使ってこない。あとは、急な加速とかを警戒しないといけないから、視界から外すことができないって感じだね」
仕組みとしてはこんな感じだろう。スピードに振る魔力が少なければ、カースウエポンを動かし魔法を避けることもできる。だから、過剰でもいいから魔法に魔力を込めないといけないのだ。それとカースウエポンを戦闘でよく使っていることから、警戒しているのもあるのだろう。
「奇襲の醍醐味は、視界から外すことだからね。視界外からの一撃は重いよ」
奇襲の基本は闇討ちだ。視界外からの一撃で仕留める必要がある。その奇襲を成功させるにもブラフを貼ったり、嘘の情報を流し込んだりと楽に行う方法はいくらでもある。
「奇襲の方法は簡単かな」
適当に土魔法で人型の的を作る。そしてマシンガンを取り出し、実弾の銃を撃ち始める。そして土操作で、的を近づけるのだった。銃を横に投げ捨て、刀を抜刀しようと構えるのだった。
「問題、ここから奇襲をするのならどうしますか?」
「魔法を使うか、トラップだな」
「それは相手も考えているから警戒はするよね。だから、投げ捨てた使い物にならない銃で撃ち込む。こんなのがよく刺さるんだよね〜。マリアに足りないのはそんな意表をつく武器かな。まっ、俺の意見だから参考までにって考えてね?」
影の魔物に武器を持たせて奇襲でも別に悪くはない。それを防がれた時にどの奇襲が刺さるのか?と考えた時に通常の戦闘でも使う魔法やメイスを除いて、あまり出てこないはずだ。出てきたとしても精霊術になるだろう。あの魔力消費のでかい技を使って魔力切れになるのも目に見えている。
いっそのことブーメランでもいいのかもしれない。そんな避けられることを前提に使う武器だ。練習もいるからなんとも言えないが、そんな武器があっても良さそうだな。ワイヤーとかでもいいな。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




