1552話
すぐさま4群目を投下する。最後はコボルト25体だ。そのコボルトはオークに近づくと、オークの背中にしがみつくのだった。奇襲の準備は万端、飛びかかり襲おうとしていた2群目のコボルトは、念の為として用意されていた魔法で貫かれる。
そして左右から展開していたウルフやコボルトは戦闘を足止めすることで全ての動きが止まるのだった。追撃作戦は失敗だ。オークの方はさっさと魔法で仕留められている。視界を遮ることからこの距離では、邪魔だと判断したのだろう。
無理やり近づいてくるコボルトやウルフを魔法で蹴散らすのだった。元から警戒しているところだ。というか攻めるのに時間をかけすぎたな。もっと時間が短ければ、余裕を持って潰すことができただろう。ゾーンに突入し、婆娑羅の視野が大きく広がっているのだった。
殺し終わると、2群目にいた残りのオークを殺し、魔力回復をしているのだった。3、4群セットがやってくるのだった。距離が半分ほどになったときだ。ほとんどは距離が半分以下になった時に仕掛けている。だが、今回はなかったことから警戒する量が減るのだった。
安堵による緊張感の和らぎ、魔力の低下が原因で集中力が削られる。それにより、視野が最初よりも狭まるのだった。
婆娑羅が回復した魔力で魔法を撃ちオークを殺していく。オークたちは、右に動き始めるのだった。ゆっくりゆっくりと右にずれていく。すでにコボルトたちはオークから降り、巻き込まれないように距離をあけていくのだった。
右から順番にオークが殺されていく。いつもであれば視野の隅でオークを捉えていた。だが、今回は違う。視野の中央でオークを捉えるのだった。それにより見ていない左側の方は完全に消えていく。そこからコボルトが移動するのだった。
いつになれば気がつくかな?気がつくのは、確実に遅れをとる。25体のうち、6体死んだ頃だ。オークの距離を確認しようと視界を右にずらす。その時にコボルトが現れたことに気がつくのだった。まあ、たかがコボルトだ。
いつも戦っている魔物と比べてスピードは格段に落ちている。さらに、武器は何も持っていない。有利な状況だ。魔法を連射するだけで簡単に殺すことはできるのだった。あと、一歩のところまでは行ったものの、後ろに下がることで、攻撃を回避され魔法で殺される。
オークはスピードも足りず、婆娑羅が放つ魔法を耐えるほどの耐久値もない。もう近寄ることもできないだろう。俺の負けだな。魔法を一体づつに放つことで、オークを丁寧に殺していくのだった。そして、終わる。
「ダメ出しくれ」
「Mか?(向上心高いな〜)まあ言うけど。まずは、集中力が減ることへの対策。あとはオークの殺し方が悪かったくらいかな。もっと魔力に余裕を持って勝つ方法はいくらでもあったかな?」
「集中力・・・そんなに切れていたか?」
「一回ゾーンに入ったでしょ?視野が大きく広がったとか?」
「あー、あった」
2陣目のオークの両端から出るウルフを討伐した時だ。
「その後、オークを見て安堵したことから集中力が切れてたよ」
「そこまで大差あったか?」
「視野の向け方が変わったかな?コボルトが接近していたことに気がついてなかったでしょ?」
「バレてたか・・・。でオークの殺し方は?」
「馬鹿正直に真っ直ぐにしか魔法を作っていないことが、勿体無い。カーブをかけるとかして一掃すればもっと楽に殺せたのに。まあフィードバックはこの辺りかな。次、マリア行ってみようか。攻撃を1回でも当たれば終わるから。とりあえず50体ね」
婆娑羅が相手だから、まあまあ本気で行ってよかったけど今度の相手はマリアだしな・・・。指揮の仕方を変えるか。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




