1551話
検証は終わった。戦闘経験の差はあまり出ていないように感じる。できれば大きめのフィールドがいいとは思う。だが小さいイベントをこなしてから大きいものに移りたいという気持ちが強いのだった。
一旦の検証は終わり、今日はあの後輩2人もいない。夜の配信があるからだろう。それに合わせて今は休憩中と言ったところだ。この3人で配信をするのも久しぶりだなー。
「今日の訓練どうする?」
「時間的には?」
「1時間と少し」
「魔物召喚しろ、魔法で殺す」
「了解。種類は?空中入れていいの?」
「ランダム。・・・やっぱ空中は無し」
検証に付き合ってもらった身だ。流石に拒否はできない。ストレス発散なのか、しっかりと魔力調節ができているのかの確認なのか。その目的がよくわからない。とりあえず、向かわす魔物の種類はオーク、コボルト、ゴブリンだな。ランダムだしウルフ種でも追加するか。
「終わらす条件は?」
「魔力切れか、近寄ってくる距離か。まあ、わかりやすく伝えるわ」
おそらく、広範囲での殲滅をするのだろう。それか召喚獣を打ち上げるのかのどちらかにはなるはずだ。
「マリアも終わった後する?」
「それなら、魔物を減らして飛行系の追加をお願いします」
「数は?100?それとも200?」
「とりあえず、100」
「了解、準備ができたら手を振るなり合図出して」
婆娑羅と離れていくのだった。足場を作ることで地面の高低差を生み出し、上から見下ろす。とりあえず、目の前にオークを10体召喚する。そして、その後ろにコボルトとウルフを計15体召喚するのだった。これが1セットでいいだろう。コボルトやウルフはオークの背後にいるため、姿が完全に隠れているのだ。奇襲は簡単だな。
魔法を禁止していた方がいいだろう。近づいてくる敵を効率良く殺していこうってのが、今回の考え方だ。そのため、魔法を使うことでの妨害は計算に入っていないはず。だから、今回召喚する全ての召喚獣は魔法の使用を禁止している。
婆娑羅が手を大きく振る。それに対して俺も大きく手を振りかえすのだった。両者ともに空気が静まる。そして、開戦するのだった。オークが前進を始める。それと同時に1体のオークの頭部に魔法が当たり弾け飛ぶ。
そのオークが殺された反対側からコボルトやウルフのスピード型の編成部隊が近づく。まあ、バレているのだろう。コボルトやウルフの体が出て、数秒後にも反対側から残りのものが出てくる。魔法を連射することで、殺させないようにするという考え方だ。
そして、オークを進軍させるのだった。空いた隙間に再びオークを10体と編成部隊15体を召喚する。すでにコボルトとウルフの混成パーティーは、光魔法で殲滅させられていたのだった。光魔法を速度上昇に振り分け、避ける暇を与えずにコボルトやウルフを瞬殺する。
左翼側の瞬殺が終われば、次に右翼だ。それで殲滅がすぐに終わっている。そして残っているのがオークだけになるのだった。そのオークが残っている間に、2セット目を投下することができた。進軍が始まるのだった。
婆娑羅から見ても2群目がやってきたのは隙間から見えているだろう。そして、行うのは二枚抜きだ。正確に中央のオーク頭部を二体纏めて魔法で撃ち抜く。スピード特化なため、2群目のオークは避けることもできないのだった。
1群目のオークを中央の穴を埋めるように走らせ、2群目の方はその中央の穴からコボルトやウルフを移動させる。近寄ってくるのは見えているが、今どの場所にいるのかも見えないだろう。左右どちらから出てくるか、それともオークを殺して炙り出すか。
三択だ。婆娑羅が選んだのは両端のオークを殺すことだった。少しでも動きがあれば、コボルトやウルフがその背後にいる。その正面にいるオークを飛び越えさせる。ウルフがある程度跳び上がり、それを足場とすることでコボルトが、オークの高さを超える飛躍力を見せる。
その結果、オークと飛び越え、婆娑羅に攻撃を仕掛けようとするのだった。5体のコボルトが飛び越え、残りは側面から距離をつめる。
・・・これ空中判定になるのか?次はしないでおこうっと。
3群目を進ませる。全てオークの群れだ。魔力を消費させるための群れと考えるのが自然だろう。二枚抜きをされないために、写真撮影をするときのような顔の位置をずらしながら進んでいく。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




