1550話
2日経過し、訓練配信の日がやってくるのだった。次の配信をするのは、マリアの階層配信だ。だから、しばらくはのんびりとした過ごし方になるだろう。そして配信が始まるのだった。
「ってことで検証に付き合ってもらうよ」
まず1つ目武器の選択からだ。マジックバッグの中から金属製の武器を置いていく。
「ここから選んでね」
マリアは剣を、婆娑羅は槍を選択したようだ。
スケルトンは互いに、その武器のスキルを持っているものを召喚するのだった。これが終わってから、行けそうであればスキルを持っていない個体での検証をしないとな・・・。
そして、婆娑羅のスケルトンとマリアのスケルトンでの戦闘が始まるのだった。
(・・・地味だなー)
絵面が地味すぎる。声を張って命令して、武器同士がぶつかり合うだけだ。スケルトンなことから、動きがゆっくりだ。婆娑羅が戦った方が派手さが出るのは当然のことだ。
「一旦終了」
「どうした?」
「派手さがないから修正する。スケルトン5体追加でどう?いける?」
「いけるが勝利条件は?」
「もちろん全滅」
陣形はどっちもでいいが、近接戦しかできないものだ。もっとフィールドが広ければ、50対50の戦いをしても面白そうだなと思う。見た目を城にすることで攻城戦にもなるだろう。まだ場所が狭いからこうなるのも仕方がないことだ。
今行っているのは擬似的なパーティー戦闘だ。これなら、フィールドを広々と使うことができる。・・・特に問題はなさそうだな。だが、これだと経験の差が出てくるだろう。指揮を出すときに全体をよく見えているのか、視野が狭まっていないのかの確認ができる。
最初にシミュレーションをし、指揮官の能力チェックをするときには良さそうだな。経験の差から、マリアの勝利が決まるのだった。ソロ戦闘の民である婆娑羅は、パーティー戦闘を組み立てることができていなかった。
選んだ陣形は個人個人で戦闘をして、殺していくものだ。対するマリアは2対1の状況を作り、1体ずつ殺していくのを基本としていた。これが経験の差だろうな。土操作で壁を出して、互いに陣形を組んでからスタートさせても良さそうだな。
後出しのようなものになっている。婆娑羅はバラバラな状況で準備をし、それを見たマリアが集めるようにして陣形を変えていた。そのため有利、不利が生まれたのだった。
土の壁を作って再びすると、婆娑羅が勝利を収めるのだった。やはり武器持ちが最強だな。武器持ちに先陣を切った。それに、武器を持っていない個体が殲滅をされ、6対1の状況になりマリアの武器持ちは死ぬ。
戦闘開始の合図は、土の壁を下ろすことだ。これなら何とかなる。戦い終わった婆娑羅とマリアが戻ってくるのだった。
「まだ見た感じマシになったかな?コメント欄的にはどうだった?」
最初よりはマシ、迫力が欲しい、パーティー戦闘での経験の差が出ない?、もっと数を増やしてほしい、と言った意見が多く出ている。
「迫力が欲しいかー。魔法使い系になるね。スケルトンの弱点だから、武器持ちもあっさりと殺されるから難しい感じかな・・・。数を増やすのは、アリだけどこの場所が狭いから無理かなー。増やすとしても脳が破壊されそうな人がいるから、複数人で操ることになりそうだね。案としては、大きめなスタジアムとかを使って50対50の団体戦も見たいけど、金と時間がねー・・・」
婆娑羅とマリアが到着するのだった。
「どうだった?」
「茶をくれ」
紙コップに茶を入れ、婆娑羅とマリアに渡す。声を出しすぎたことで喉が渇いたのだった。
「最初は地味だったけど、今はまだマシ。あと魔法が使える個体か、弓が使える個体を入れたらもっと戦闘が面白くなりそう。数的にはこれくらいが限界だろ」
「追加するなら、数本の矢を持ったスケルトンくらいかな?魔法は無理、数が足りない」
魔法使いのスケルトンはスケ3に取り込ませていたことで召喚のストックが足りていないのだった。時間があれば用意はできるだろうけど、つまらなくなりそうだからなしでいいだろう。
「複数人で命令して、倍のスケルトンを操るとかは?」
「指揮系統が混乱するだろ」
ですよね・・・。2人の指揮官がいたとして、右と左に進むように互いが命令したときに、どっちに進めばいいのか混乱してしまう。それが起きるだろう。
「あとは、声が届きにくい?スピーカーか声を大きくするやつが必要。最悪かき消されて命令がなくなる可能性がある」
「叫び声で周囲の声が聞こえにくくなる感じね」
あー。気がつかなかったわ。マイクとスピーカーか・・・。備品にあったかな?マイクはあるとしてスピーカーか。相談しておこうっと。指揮官は動かないのなら、普通に声を吹き込むスピーカーでも十分か。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




