1548話
互いのマジックバッグから大剣、短剣、片手剣、槍といった基本的な武器が出てくるのだった。そして、最終的に俺は負けてしまった。最初の数体を殺した時に「剣術」のスキルブックが出てきてしまった。このスキルブックに今日の運を吸われてしまった。
それゆえの敗北だ。そして、残りは属性付きの魔石だ。運が良すぎた。武器よりも属性付きの魔石の方がレアリティーとしては高いのだろう。
「じゃあ、焼肉な」
「寿司じゃなくていいの?」
「魚はいらん、肉がいい」
「適当な店予約しといて」
今日は何円吹き飛ぶかな・・・。まあ、婆娑羅だし、そこまでは飛ばないだろう。
剣術のスキルブックを取り出し、婆娑羅に投げつける。投げつけられたスキルブックを受け止める婆娑羅に対し、
「武器と交換しない?」
と問いかける。俺が欲しいのはその散らばっている武器だけだ。こんな持っているスキルのスキルブックはいらない。
「・・・いいぞ」
スキルブックを渡し、ほぼ武器を総取りするのだった。婆娑羅の槍チェックの結果、数本だけお気に召すものがあったのだろう。その槍は婆娑羅の手元に残る。まあ、最初の時に決めたものだ。そうなるのは当然のことだ。特に言うことはないな。
「焼き肉の予約があるからさっさと終わるぞ」
「ってことで、バイバーイ」
配信が切られるのだった。マジックバッグの中に、武器を入れていく。そして入れ終わると20階層を即クリアして、外に出るのだった。即座に婆娑羅が電話を入れ、予約を取るのだった。そして、再び電話を切ると、別のところに電話をかけていく。この時間帯だ。取れなかったのだろう。
「おい」
「ん?魔石がいる?」
「違う違う、金は大丈夫かって?」
「これでも、儲けてるから大丈夫」
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そして焼き肉屋に到着した。冬ということもあり、上着を着ている。その着ている上着を脱ぎ、背もたれ付近にあるハンガーにかけるのだった。お通しはなく、タッチパットで注文するタイプのようだ。デジタルだね。婆娑羅がタッチパネルを取る。
「何を注文する?」
「牛タン塩」
「いや、飲み物の方」
「じゃあ、ジンジャエール」
「米は?」
「いらない」
「野菜は?」
「嫌い」
「好き嫌いはするな。注文するから少しでも食え」
まじですかい。・・・親かよ。そう思いながら、横にあった取り皿や箸を配っていく。
「あとは適当に肉を注文しろ」
そう言いながら、タッチパネルを元の位置に戻すのだった。注文をしながら、適当に焼いている肉を摘んでいく。
「そういえば、企画ってどれのことだ?新しいやつか?」
ご飯を食べ終えた婆娑羅がそう聞いてくるのだった。
「ちょっと改良したんだよね〜。この肉もらい」
「うちが育ててやつ!」
「あ、お邪魔します」
マリアがやってくるのだった。そして、婆娑羅の横に座る。そこから、再び注文が始まるのだった。
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