1542話
婆娑羅の訓練用の的を作っている。その的は硬めに作った。婆娑羅には、壊さないように魔法の威力調節をしてもらおうと考えているのだった。作り終わり全ての戦闘訓練の準備ができ、休憩時間とされていた30分が経過する。
「再開するか〜」
体を伸ばして軽くストレッチをするのだった。ストレッチをしたとしても俺は召喚魔法だけだ。ついでに軍師も一緒に召喚をするのだった。そして、リオに向かわす魔物を召喚することを命令し、その召喚する魔物は避けることを命令させる。戦闘のスタートの準備ができるのだった。
コボルトを召喚し、アポロの方に走らせる。軍師が召喚した集団が列に並ぶのだった。他はとりあえず適当に用意して、訓練を再開する。まず最初に注目するのは、リオからだ。
軍師が召喚する弱いスケルトンやゴブリン、コボルト、オークといった魔物を一発の魔法で粉砕していく。20分が過ぎた頃だ。オークで失敗するのだった。殺すことになれ、心や思考に余裕が出てきただろう。魔法の威力を一定にすることで全ての魔物を殺すことができる。
だが、出ているのは軍師が召喚した魔物だ。そう、俺が召喚した魔物を追加しただけだ。それにより強さを確認せずに慣れ親しんだ威力を持つ魔法を放ってしまい、殺すことができずに終わる。まあ、初見殺しのようなものだ。
しばらくは通用するだろう。連続でカースウエポンを紛れ込ませたところ、加速する前に魔法で撃ち抜く。そして油断をするのだった。次に出てくるのも他とは強い個体だ。それにより加速する前に殺し切ることができず、魔法は空振りで終わる。
この辺りは雰囲気や加速といった部分で強化個体か、通常の弱い個体かの判別がつくだろう。ところがどっこい、問題はここからだった。ゴブリンやコボルトだった。スケルトンは正直最弱だったので語るまでもない。
ゴブリンの性格の悪さが出ている。まずは1体目では、歩き方、動き方を真似ることで最弱を装い弱い魔法が飛んでくるのを避ける。そして2体目は、前後移動により距離感をなくすことで、魔法を避けるのだった。卑怯だろう。
コボルトの方はもっと単純だ。魔法が放たれた瞬間加速する。これで、魔法は簡単に避けることができる。要するに、精神を消費するだけのクソ訓練が出来上がるのだった。まあ、動きの予測や立体的に見る力は養われるだろう。
そして、精神的に疲れたのか、その場に座り込むのだった。殺すまでいらなかったか?殺すのでもいいが、動きを封じることができればという条件でもよかったな・・・。足に当てて、スピードを落とすことくらいしかできないだろうけど。
アポロの方では的を修復しつつ、向かってくるコボルトの捕縛だ。捕まえることはできているが、それで終わりになっている。そこが少し勿体無いなと感じるのだった。少し動かすだけで他のコボルトの妨害もできる。だが、それを行わないのが勿体無いと感じるのだった。
するのであれば、わざと足を掴んで横に投げ飛ばし巻き込むことや両足をくっつけて絡めとるといった方法もあるだろう。勿体無いものの元の目的はクリアしているのだから、なんとも言えないな。それを崩すのが俺の仕事だろう。余裕のない状況にしてみようか。
コボルトの位置の把握の仕方は簡単だ。俺から放たれるコボルトを観察することだ。放たれてすぐにマリアがいる方向に走り出す。そのため、出てくる数が何体なのかがわかる。さらに視界で追っていることでどの方向からやってくるかもわかっているだから、対処が簡単だ。
視界の使い方がうまいってことだ。訓練にならないメタ読みだからやめてもらいたい気持ちはある。それをするのが俺の仕事だろう。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




