1539話
「地獄にようこそ。今回、追加の生贄はこの2人だ」
カメラが振り向き、画角を切り替える。
「・・・名乗って」
無言な時間を作らないで欲しいものだ。振った身になってくれ。性格上譲り合う人間だろう。だから、どちらが先に話すのかのタイミングを掴み合い、流れが完全に死ぬ。やりにくいなー。
「配信歴が長い方から」
一応土操作を使う方は、入社日数はまだ長い。そのため、これで判別するのだろう。
「アポロでございます。得意魔法は土魔法です。よろしゅう」
・・・そんなキャラだったのか?テンパってキャラが混ざったのか?ツッコミのしようがない。
「RI001です。最終目標はサイボーグです」
それなら009に修正してきなよ。まだ間に合うよ。まあいいや名前の確認も終わったことだ。
「アポロ11号と、R1(ワン)ね」
「せめてリオでお願いします!その名前はなんか危ない!」
「強くなったらな。とりあえずは、役割の確認だな。R1(ワン)お前の戦い方は殺すために動く?アシストのために動く?」
「殺すためです」
「よろしい、なら婆娑羅と一緒だ」
コボルトを10体召喚し、婆娑羅に付き従うように動く。婆娑羅の方はそのR1(ワン)を両腕を掴み、捕縛しながら移動をするのだった。
羨ましい、そのエロガキをつまみ出せとか、そんなコメントが流れているのだった。あー、ほぼセクハラコメントだな。婆娑羅の運び方はR1(ワン)の腕に胸が押し当てられるようになっている。だから羨ましいと思ったのだろう。別にどうでもいいことだ。
「アポロ1号よ」
「残りの10号は?」
「宇宙の散りになった。そんなことは良いとして、主の役割を問おうか?」
もっと元気に、残りの10号はどこいったんねんとか突っ込んで欲しかったな〜。淡々と処理されると悲しいものがある。
「アシストか、キルかつうことか。それならアシストやろうて。(訳:アシストに決まっているじゃないですか)ほなはよう、そのコツを教えてもらいましょうか」
「京都か?」
「いえ、エセ関西弁どす」
「京都も関西やねん。もう、めんどくさいわ。それよりもアシストか・・・。土操作は、自分の考えだから教えることはないんだよなー。土魔法での拘束練習くらいか?これで訓練しとき」
変なものが移ってしまったな。コボルトを召喚しつつ、アポロに練習を投げる。これでしばらくはその訓練をしてくれるだろう。テンションが変わりすぎて怖いまである。もっとおとなしい子だと思っていたのに期待を裏切られて気分だ。
リオの方は、まだマシだな。連続で全てのコボルトに当てることはできないものの、2、3体なら連続でできるようだ。
コメント欄は、なんか固くない?、今日は不調?といったコメントが流れているのだった。コボルト相手に秒殺や一撃で葬り去ることができないのなら不調と捉えられてもおかしくはない。殺すことができるギリギリの魔力量をついたつもりなのだろう。
問題はアポロの方だ。コボルトに首輪をつけ、両手両足を地面とくっつけ、その上に乗ることで椅子代わりにしているのだった。本当にキャラはどうしたよ。お家から出ていったのか?迎えに行ってこい。そいつにこそ、首輪が必要だ。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




