153話
そんな勇者君を観察するのは置いておくとして、はぐれがここにくる可能性もある。そのための警戒なのだろう・・・。その会議では何も決めることができなく、問題が増えてしまったので報告も兼ねて教室へ帰ることになった。俺も一緒に帰って二度寝をキメようと思って動こうとしていたのだが、ニッコリと微笑んだ部長がその手を離さなかった。
「さて最後に上がっていたはぐれに関する問題の前に戦力の確認をしておきたい。まずは今行っている最高の階を話してほしい。あとパーティーの人数もだ。」
そんなことを言いながら俺の顔を見ている。ホワイトボードでメモをする人やかみでメモをする人が少しづつだが現れている。さすが部長だ。教育が行き届いている。
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俺の番が回ってくる。それまでは4や高い人でも8だ。そしてパーティーの人数だが基本が5で多くても6少なくても3だ。わかっていたのだが、ソロはいなかった。仲間がいないよ・・・。ま、どうでもいいのだが。嘘を言おうとしたのだが、どうせ嘘をついても意味ないしな・・・。他の人と組まされる方が面倒だ。そう思い真実を告げる。
「ソロで11階」
そういった瞬間ざわめきが起きる。強い分先の階まで進んでいると思っていたのだろうか?安全第一なのでそんなことをする訳が無い。認めてない人もいれば、だからあの強さかと納得する人もいる。他の人と組むことがなければ別にどうでもいい。
「武器は?」
「刀と魔法」
「今持っている?」
そう聞かれて頷く。
「なら大丈夫か・・・。」
問題は勇者君がいないことがどう影響しているのかだ。もし勇者君がいないことで混乱になるようであれば、どうしようもないのだが、あの強さだしな・・・。何も起きないだろう・・・。
そんな時だった。
「キャー」
そんな叫び声が聞こえる。その声に釣られて外に顔を出す生徒もいる始末だ。窓ガラスがあれば攻撃をしてこない。だが、窓ガラスを開けていると話が変わってくる。そこめがけて攻撃をしてくるのだ。
その叫び声が聞こえた教室には、頭部が弾け飛んだ生徒の遺体が転がっている。その手にはスマホがもたれていることを考えると、ネットに上げるために動画を撮ろうとしていたのだろう・・・。
馬鹿なことだ、前々から言われていたことを忘れて攻撃を受けるとか・・・。この恐怖が伝達しないことを願うばかりだ。
というか攻撃してきたということは、外を覗くと1匹のオークがいた。そしてその手には、頭一個分の大きさの石がもたれている。おそらくこれによる攻撃だったのだろう。
死んで筋肉が緩んだのか尿とか出ていて汚いので浄化をかけておく。
これでこの人の名誉も守られた。その悲鳴を聞いた他のクラスの人も少しずつではあるが集まってきている。やっとのこと外に出ることができた。
だが、問題はまだあった。パーティーを組んでいると言っていた人のほとんどが他校の人とパーティーを組んでいたそうだ。そのため万全な状態で戦えるのは俺一人か・・・。
しかもオークをそれで狩ることができないとまで話していた。もちろん部長は余裕と言った顔だ。仕方ないが部長と協力するしかなさそうだ・・・。
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