1532話
11月になった。あたりも衣替えとともに服装が厚いものに変わっていく。そして、新人たちとの顔合わせが始まるのだった。
片腕がないもの、キャラで攻めようとするもの。この辺りが挙げられる。今回は戦闘能力で買われることはなく、キャラ性で買われたようだ。俺の予想は成功していたようだ。
ダンジョン内でのライブ配信も既に2年の歴史はある。売れるか、売れないかは置いておくとしてキャラとしては多数存在しているのだった。そのため、キャラとして潰されないようにするには、圧倒的な個や独特なキャラクター性が有効になってくる。
前見ていた、あの電動ドリルで戦っていた人もいつの間にか消えていた。もう、動画が1年程度更新はされていないのだった。
今回参加をするのは3人のようだ。前回から減ってしまったのは、数を増やしすぎると管理がめんどくさいことになるのだろう。スケジュール管理やダンジョンに行く日を合わせることといったものだ。それが大変だと感じたのだろう。
そして今まで成功しているのはソロか、2人パーティーだ。今回はそこに目をつけたのだった。まずはキャラとして片腕がないのはインパクトとして、強い。その人の目的は、片腕がなくても戦えることを証明するため出そうだ。
まあ、いざとなれば再生することもできるだろう。戦えることの証明が第一目標として、まだ目標が2つあるようだ。それは腕の再生だ。自分の力で再生させたいようだ。最後の目標は義手だ。魔改造した義手を作りたいようだ。
義手の指が開き、弾丸が飛ばされることやブレードに変化をするといったさまざまな案を考えているのだった。代案もなく、したいだけよりかはましだ。最終的にはその技術を使ったパワードスーツを作成するようだ。現在は後衛の魔法使いらしい。
もう1人はテイマーの職業を持っているもので、可愛らしい魔物を捕まえてゆったりとした配信をしたいようだ。・・・殺伐としたダンジョンにそんな配信は求められているのか?そんな不安もある。猫の動画みたいに、ダンジョン生物を主体とした動画を取るようなものだろう。
人気は出るだろうな。その可愛いってのがあって入ればの話だ。可愛いにも種類がある。キモカワだとか一般受けではない可愛さを持っているものたちだ。ここが気になってしまった。
「・・・質問で、可愛い魔物って例えばなんですか?」
「ゴブリンです」
イロモノが確定してしまったな。ゴブリンの可愛さを必死に語っているのだった。ゴブリンって可愛いのか?せめてマジックキャットとかウルフ種といった毛がある魔物にしない?今からでも路線変更は間に合うと思うよ?てかいいの?これ?
そして最後の一人の男は、目標はスパルタになるらしい。教官ポジのスパルタ教育をする的な感じかと思いきや古代ギリシャでのスパルタらしい。キャラが濃いよ。戦う武器は槍と盾だ。そして現在の悩みは、薄い服をどうすべき?だそうだ。
基本的に布面積が少ない服で強い装備はあまりない。だから、何か良い装備はないかと探しているようだ。その心意気に面して、あの素早いビキニを授けようと思う。何も防具が装備できない代わりに素早さが大きく上がるやつだ。
それを事務所に預け、顔合わせが終わるのだった。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




