1530話
新人の締切と結果が出たようだ。早かったな・・・。縁故採用とか、経験者を選んだのか?それくらいの速さだった。何人かは選ばれなかったと嘆いている人もちらほらといる。今回はどんな人が来るのだろうか。締切と結果が出たことを告げられたものの、リークのようなものだ。
伝えられたけど、発表をしてはないけない。そう言われているのだった。今日も婆娑羅とマリアのトレーニングデイとなるのだった。毒の実験でもしておこうかな?毒性のあるものはスズランか?
婆娑羅の方は魔法の力がついたと判断し、ゴブリンからコボルトに力を強めた。そしてマリアの方は前回と同じように上下で高さを変えた的を撃ち抜いてもらうのだった。捕縛用のトラップ式の罠も欲しいな・・・。ここも改良次第だな、
スズランは花と根に毒を持っている。横に寝かせ拘束しているゴブリンの口の中にスズランの花を入れるのだった。強制的に毒状態にさせた場合だ。普通に死ぬようだ。筋肉を硬直させ、肺や心臓を止めることで殺すような方法だ。
密室でも使うことができるだろう。だが、問題点は食べないと発動しないことだろう。ここで使うのは品種改良だ。スズランの毒を花や根から、葉と花粉に変更する。その研究が始まるのだった。まずは、根の毒を葉に移す作業から始まる。
茎に移ったり種に移ったりとさまざまだった。何体のゴブリンが犠牲になったことか・・・。そして毎回箱を作ってからその中に改良したスズランを設置し、ゴブリンの実験が始まるのだった。
人の心はないんか?とか、酷いなどのコメントが流れていく。今更だろう。生きる的にして、魔法の的当てなんかと比べるとまだマシだろう。足が吹き飛んで生き延びるよりもしっかりと死ねるのだから。
最終的に少し変化させるのだった。それは、毒を一種類にすることだ。そうすることでより楽に、想定した部分に持っていくことができた。目的は、スズランが花粉を出すことでの殲滅だ。花粉に毒が含まれていることで、うっすらと目に見えてしまう。そのため魔法を放たれると簡単に破壊される。
だが、葉に毒性を持たせることで水蒸気に毒を含ませることができる。この箱の中に含まれている空気全てが毒となる。花粉を全て払ったと満足して、大きく息を吸い込むと毒も一緒に吸い込んでしまう。そんな作戦だ。
対人戦となれば花粉を大量に出すスギを作って、抵抗力を下げるデバフを与えることで強制的な花粉症を引き起こそうと思った。だが、花粉症の民によるコメント欄を荒らす行動が始まるのが目に見えている。この中に花粉症を持つものがいれば、殺されてしまうだろう。
「何してんだ?」
「毒作り。コボルト殺し終わった?追加?」
「殺し終わったから追加と休憩。で?どんな毒だ?」
「体験してみる?まだ完成していないけど・・・」
「殺す気か」
流石に実験体にはなってくれないよね〜。ゴブリンで我慢するか。いい加減毒への耐性を持ったゴブリンくらいできてもいいと思うけどな。
「婆娑羅って花粉症?」
「なんだ急に?」
「もし、花粉を大量に出す植物を作ったら・・・」
「殺す!次から出す植物を効果も関係なく破壊する!」
黙ってしていなくてよかったー。
「絶対に戦闘でするなよ。するなら一人の時にしろよ!!!」
そう言いながら元の場所に戻っていく。口酸っぱく注意をされてしまうのだった。婆娑羅は花粉症だな。コボルトを召喚し、婆娑羅の訓練場所に移動させるのだった。
実験の結果の確認だ。シュレディンガーのゴブリンだ。箱の中に入っているゴブリンが生きているのか、死んでいるのか、実験は成功しているのか。この辺りは開けてみないとわからない。
閉じ込めていた箱を開ける。そこにいたのは体を麻痺させているゴブリンだった。痙攣をしている。酸欠による痙攣というよりかは、体の筋肉が硬直したことによる痙攣に近いだろう。正座の後に痺れるような感じだ。
毒性が弱まったか・・・。その分効果時間は長引いたか?長引いたかは検証がいるな。とりあえず今日はこのくらいだな。あー、ひまわりですればよかったか。痺麻ワリって名前にできただろうな〜。
・・・名前考えるのめんどくさいな。麻痺花モデル:スズランでいいや。その名前で登録するのだった。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




