152話
何やら体を揺すられる。
「・・きて、起きて」
眠たい目を擦る。
「何?」
「部長さんが呼んでるよ。」
指さされたその扉には部長が立っていた。
「ふぁー、なんですか?」
あくびが出てしまうのも仕方がない。
「光がいるかと思ってな・・・」
「光って?」
誰だっけ?知り合いにもいないと思うんだけどな?
「勇者のことだよ!!」
「あーあの勇者君は知りませんね。どうせいつもの正義の心がーとか言ってダンジョンに行ってたりして・・・」
「まあいい、部室に来な、少しだけ会議がある。」
「はーい」
そう言いながらバッグからマジックバッグを取り出し、持っていった。部長はギョッと一瞬見て羨ましそうにこちらを見ている。
ということで部室にやってきたわけだが、校長や先生も集まっている状況だ。一体何をするのやら?
「集まってもらって悪いね。」
そう言われたので周りを見たのだが、他の部員の人も集まっている。しかも立っていた。ずっと立ちっぱなしも疲れるので、マジックバッグから椅子を取り出し、そこに座る。そんなことよりも俺が最後だった。
「集まってもらったのは、ダンジョンについてだ。氾濫が先ほどあった。そのため、ここも安全とも言えないので、どうすべきか意見が欲しい。」
「氾濫の原因の元になったモンスターを倒すとかどうでしょう?」
我らが担任がそう言ってきた。正直ダンジョンに入ったことのないセリフとしか思えないのだが、誰もツッコミを入れない。
「それは無理ですね。相手の強さや規模がわかりません。」
「一旦このまま待機か・・・。」
一応ダンジョンに近い位置付けにはなっているこの学校では、非常食が置かれていたり、いざという時の避難場所になったりしている。
スマホで状況を見ている生徒が多くいるのが現状だ。緊急時にはスマホを解禁するという校則があるほど、緩い学校だ。この部屋にはテレビがついているので、それで情報を見ることができる。ヘリによるニュースが流れてきているのだが、深いため息が全員から出ている。
そして部長や先生が顔に手をやっている。その原因となっているのがあの勇者君だったのだ。自衛隊も到着しており、整備されているのだが、そこに入ろうとしている人が1人いる。それが勇者君だ。
もう無謀な勇者とかそんな称号を与えてくれないか?しかも私服で行っていれば何もいうことはなかった。だが、その服装は、この学校の制服だった。そのため先生も頭に手をやっている。
親とかからクレームの電話がかかってくるやつだな。頑張って!!絶対入試を取り下げる人は出てきそうだな・・・。
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