1522話
爆弾相手には、爆弾だろ。ってことで分身体を三体作り出す。思考性を感じさせないように目のハイライトは消え、完全な操り人形になっている。
目的はピエロに近づくことだ。飛ばされてくる攻撃は全て防げと命令している。短剣を投げてくるがシールドで受け止め、横に回ることで迂回しつつ、距離を詰める。婆娑羅には一旦止まるように伝えているのだった。
分身体の距離が近づき、ピエロの周囲を取り囲んだ瞬間だ。分身体に命令を与える。それは、ピエロに抱きつくことだ。飛びかかることでピエロに抱きつく。さあ、ここからがフィナーレだ。
ピエロの口に近い分身体にその個体が入った状態でシールドを貼り、周囲を覆うように命令をする。その命令通りに、シールドが何十にも貼られていく。その5枚目が貼られようとしている時だ。残りの分身体にも命令を出すのだった。それは、全魔力を使った爆弾作成だ。
その全魔力を持って作られた爆弾は一瞬で起爆する。爆発は起きるものの、爆風は起きない。全てシールドの中で完結しているのだった。音だけがこの空間に響き渡り、シールドの割れる音さえも聞こえない。
そんな爆発からもピエロは生き残っているのだった。脱出した状態で、お辞儀をする。そして、自分の体を触るのだった。その瞬間、体が膨らみ破裂をする。白煙を出し、ピエロ自体がどうなったのかすらもわからないのだった。婆娑羅が槍を飛ばしたが、ピエロがいた位置には立体物が何もない。
一瞬の風が吹く。それにより白煙が広がりながらこちらに進んでくるのだった。その煙自体が爆発を引き起こす。最後の命を削ったショーは幕を閉じるのだった。
「自爆か・・・」
その爆発があった中心には宝箱が鎮座しているのだった。その宝箱の中身は、ピエロの面だった。なんか乗っ取られるとかありそう・・・。そのため装備はしない。スキルとか能力が分からなかったのが残念なところだ。
「宝箱の中は?」
「お面」
そう言いながら顔の前に面を添える。
「道化師か」
「ピエロって言わないタイプかー。この仮面いる?」
「いらん。呪われてるだろ?」
「さあ?」
呪われている可能性を考えている人種だったか。
「お前の分身はあんなことできたんだな」
「俺の分身よ?できるに決まっている」
「対人戦で使うなよ?」
「もちろん、ムカつかないければ使わないよ」
むかついて殺すとなれば使うけどね
「最後の階層もパパーっと終わらせようよ」
「そうだな」
50階層のボス戦に向かうのだった。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




