1519話
鎌の攻撃範囲が伸びるのだった。前後左右、あらゆる方向に鞭の腕が振られ、それに装備させられた鎌の範囲攻撃の応酬だ。近ければ範囲攻撃の餌食になっていただろう。
鎌により、地面が抉られていく。あのしなやかさ。鞭の素材にぴったりだな。ドロップに期待ってところだ。早速燃やすか。スピード特化のファイヤーランスを放った。だが、瞬時にバレ反応される。
虫の弱点は火だ。それにより警戒をしていたのだろう。鞭の腕が叩き落とされ、横に薙ぎ払われる。鎌の風魔法の部分にちょうどあたり、打ち消されるのだった。鞭についていた液体はこれにより蒸発し無くなる。火への警戒は強いかー。
顔もないのに距離感だけは最高峰ってなんかムカつくな。そんなことよりも位置がバレた。そのため移動をする。カマキリ(仮)は鞭として伸ばし、振り回していた腕が短くする。それと同時に、背中の羽が動き始めるのだった。宙に浮き、風になる。
リミッターが外れているのか、最初よりもスピードが速い。一定スピードで飛んだ後足を地面につけ、ブレーキ扱いにしてスピードを殺すのだった。それにより、3本程度の足が破壊されていく。痛覚がないのは確定だ。
一本でダメなら数だな。と言いたいところだがもう終わりだ。カマキリの動きが止まったところの真上には、婆娑羅の槍が移動していく。そして、真上からカマキリを串刺しにする。そして、槍から火を放つのだった。
火に反応して防御されるのなら、されない場所から火を出せばいいじゃないってことか?カマキリの内部から火が噴き出し、体の表面を燃やしていく。体液が残っている首に引火し、その次は燃えやすく薄い羽根に火がつく。
全ての体が燃え、火が上がっているところにそいつは残っていた。黒く細長いものだ。だがそれは揺れ、動いている。そいつは塒を巻き、自分の体に傷をつけると、ゴロゴロと転がる。そして火の中にダイブしていくのだった。
自殺か?いや違う。火の中で黒く細長い影が楽しそうに踊っている。体全体を火で覆ったものに変わる。空中から槍で突き刺そうにも、その細い体には当たらない。落とされる槍をスラスラと地面を泳ぐように移動し、避けていく。ゴブリンを1匹流してみると、そいつに反応するのだった。
そのゴブリンに近づき、絡みつき火を移す。そして引火している体の中に入っていき、内側から食い破るのだった。凶暴そのもののだ。再び、ゴブリンを流してみたところ、確実にゴブリンの方に移動する。攻略方法は大体わかった。
ゴブリンを4体ほど流し、シールドを使いつつ真上に移動する。俺の手には土魔法で巨大化させたハンマーを握っているのだった。ゴブリンに体当たりをし、体に火を纏わせた瞬間一列になったところを見計らい飛び込むことで、腹を食い破る。少しづつステータスが上がっているような気がするんだけど・・・。
ハンマーをその寄生虫に叩きつけるのだった。地響きと轟音と共に砂埃が宙をまい、衝撃により押し流されていく。ハンマーの下に動きはない。魔法を解除すると火は消え、押しつぶされ黄緑の体液を撒き散らす細長い一匹の虫が横たわっているのだった。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。
カマキリを動かしていた存在はハリガネムシです!
みんなわかったかな?




