1515話
トレーニング配信から二日経ち、通常の配信が行われる。45階層のボス部屋を殲滅し、配信の準備ができた。
「ということで始まってるよね?今日は、47階層に進んでいこうと思うよ〜。肉塊の簡単な倒し方も作ったし大丈夫でしょう」
「毒だろ?」
「まあ、お楽しみに〜」
46階層に入る。もちろん目の前には例の肉塊が存在している。
「肉塊の3分クッキング〜」
肉塊の簡単な倒し方〜。透明の毒が入った瓶と、チョークの締めが緩いショットガンを用意します。瓶を下投げでふんわりと浮かせ、肉塊の真上でショットガンを撃ち込み瓶を破壊する。簡単な作業だ。
「で、完成したのがこちらになります」
ドロドロと肉が溶け、何もない状態に変わった肉塊が存在しているのだった。
「経験値効率はここが良さそう?」
「お前だけな」
ドロップは魔石だった。経験値的には美味しいんだけどな〜。ドロップが渋い。あの肉塊がドロップするのも嫌だし、この魔石だけがちょうどいいのか?毒も作るのがめんどくさいからこの魔物だけでいいか。
「クリアはクリアよ。次の階層に行こうか」
すぐに47階層に移動するのだった。そこは、動物の楽園だった。キリンやライオンはもちろん、猫や犬までさまざまな動物がいるのだった。通常の動物はもちろんのこと狼系もいる。あのサーベルタイガーも存在しているのだった。
その動物たちが集まっているところにオークが1体いた。その膝の上には猫が座り、撫でられ喉を鳴らしているのだった。ビーストテイマーだ。動物の種類で統一するとかしてもらいたいものだ。
ウルフ種が連携を組み、左右から挟み追い込もうとしている。
「ビーストテイマーか・・・」
「婆娑羅が戦う?」
「ああ」
婆娑羅の手に持つ槍から、ライトボールが1個作り出される。大きさの調節は完璧だ。だが、こもっている魔力はやばい。それを察知したのはマジックキャットの群れだった。大量のランス系の魔法が作られる。
婆娑羅のライトボールの形がランスに作り替えられ、すぐに放たれた。それに対抗するために、マジックキャットからランスが放たれるのだが、婆娑羅の魔法の前には無力だ。ぶつかり合うが、婆娑羅の魔法は無傷で対抗する魔法は軒並み破壊していく。
魔法や肉壁として間に入る動物の腹を貫き、オークを狙う。最奥にいるビーストテイマーの主であるオークの頭を吹き飛ばすのだった。
奥にいる本体が弱いのは普通だな。数が多いことから経験値が振られているのも均一なのだろう。中央値が均一になっているため弱い。平均値が低く、中央値が大きい方が強いのは当然だ。数のデメリットを全面的に出したような戦い方だ。
「ヘッドショットおめでとう」
手を筒の形にし、動物たちの空いた穴から奥のオークを覗く。その周囲には口を開き、今にも襲い掛かろうとしているオオカミがその躍動感のまま、体を固定されているのだった。
「やっぱりそのユニークスキルってインチキだね」
「そうか?魔力消費は大きいぞ」
その魔力消費が大きいのが厄介なんだよね・・・。自覚なしか。まあ、強いってことが理解できているのなら大丈夫だろう。
「ドロップは?」
「テイマーのジョブブック、・・・いるか?」
「いらない。使わないの?」
「あの敵と同じだろ?弱いから使わん」
「持っておいて後輩ができたら押し売り(プレゼント)するとかにしておけば?」
「そうするか・・・」
婆娑羅はそう言いながら、マジックバッグの中に入れていくのだった。弱いね〜。こう見ていると召喚師の方が強そうだなー。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




