1514話
訓練配信が終わったあとだ。
「久しぶりにのんびりとしたものでもする?」
「需要あるか?」
「ないよね〜」
雑談配信でもしようかな?と考えていたが、戦闘を求めているのに、雑談をされても・・・って感じだろう。まあ、訓練配信の時に俺だけ雑談配信でもするのでも良さそうだな。普通に暇だし。
「次の配信はいつする?」
「明後日」
「オッケー」
肉塊の攻略もある。毒の調合が必須だな。解散と言っておきながら、10階層の大蛇のところで周回をし毒瓶を大量に集める。そして14階層でドラッグフラワーのドロップを集めていくのだった。これで毒の調合準備はできた。正直、麻痺はいらないからそれ以外の毒で十分だ。
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そして次の日になる。本社の内部にある錬金術や薬師がセットになっているところに移動する。そこで錬金を始めるのだった。前よりも人が多いな。ちょうど置いている場所があったため、そこで錬金をする。
マジックバッグの中から花のドロップと毒を取り出し、机の上に並べていく。花の素材を多めにし、毒を2:1の割合で入れてみる。それにより完成するのは解毒薬だった。これじゃない。欲しいのは、毒が強くなったものだ。割合を反転させてみるのだった。それにより、できるのは弱い毒だった。花の解毒作用が大きく出ている。
花と毒を当時に調合するのはダメか。毒を複数種類混ぜるパターンだ。作られるのは遅効性の毒だった。互いに打ち消し会うことで、効果が遅くなるという性能をしているようだ。だが欲しいのは即効性の毒だ。
片方を強くすることで、その効果が現れるようだ。ただ、その効果は蠱毒により強まっているようだ。これはこれで何かに使えるか。素材に回すことはなく、マジックバッグの中に入れる。もし、即効性の効果ができたのなら、この毒にその効果を付与すればいい。そうすれば、最強の毒が手に入るだろう。
花のドロップをすりつぶし、水に浸す。それにより水に色が付き、染まり始めるのだった。ここまではいいな。したい事は、毒を強くする成分と弱くする成分の抽出だ。蒸留による分離を試してみるつもりだ。
真逆の効果が混ざり合っているのがこの花だろう。なら分離させるには何かしらをしなければならない。一緒にしているから良い方の効果だけが表に出ているのだろう。
準備が終わりビーカーの方を見ると完全に色づいているのがわかる。その色は向こう側が見えないほど濃い。濃度には期待ができそうだ。検証するのには色々必要だな。温度計にビーカーと色々用意してから実験を開始するのだった。
その色がついた液体は、68℃で沸騰を始める。冷却装置を通った空気が液体に変わり、ビーカーに溜まっていく。色は透明だ。そして、数秒後沸騰していく温度はそのまま上昇していき、80℃になる。
ビーカーに入る色が変わるのだった。黒色の液体が落ちてくる。すぐさま加熱装置を外し、透明の液体が入ったビーカーを取り出す。そして、他のビーカーを持っていき、色がついた液体を集め始める。
黒色の液体と透明の液体、悪さをしているのはどっちかな?鑑定の結果、良い効果を出しているのは黒い方で、毒を強くしているのは透明の方だった。両方ともそのまま飲めば毒のようだ。毒同士で打ち消しあっていたのかよ。
大蛇の毒に透明の液体を入れ、即効性の猛毒を生み出す。これで毒生成は終わるのだった。大蛇の毒は紫や黒といった暗い色をしている。だが、この透明の毒を入れたところ色が無くなり、無色の透き通った色に変わる。・・・誤飲に気をつけよ。
一応目的のものが完成した。そのため、高まっていた集中が切れる。ふと顔をあげ時計を見ると、時間的にもう夕方だ。さっさと帰るか。浄化をかけ、使った用具を片付け、その場を後にする。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




