1513話
まあ、ここまでできるのなら、魔力の出力コントロールをするだけでいいだろう。
「あとは、魔法としての魔力量を減らすってことくらいかな。頑張ってね」
「工夫点とかは?」
「仕組みがわからないからギブアップで」
婆娑羅との会話を切り上げ、少し離れたところで両方の訓練を見守る。マリアの方は視界が少し広がったかな?魔法を放つまでの間隔が短かくなっている。
音ゲーとかで、上から降りてくるものを叩くような感覚だ。目で追うことはなく、周辺視野で距離感や速さを掴み、魔法を放つこれができれば強いと考えていたのだ。まあ、これを意識したときには威力調節ができていないのだから、訓練としてはどちらかを取るのかが正解だろう。
婆娑羅は魔力切れで休憩に入ったようだ。そしてマリアの方も全ての的の破壊が終わるのだった。的の修復をするために、マリアの方に向かう。
「当てるのは早くなったね」
「ですよね!」
「訓練方法はどっちがいい?」
「どっちってこの訓練以外に何かありますか?」
「この訓練の目的ってなんだと思う?」
「命中力向上?」
「まあ、それもそうなんだけど。ちょっと来て・・・」
的の近くに移動し、的の裏にさらに的があるのだった。
「よくわからなかったやつ」
マリアがボソッと呟く。
「これをしてた意図が硬さを瞬時に把握するってことなんだけど、趣旨が違うからね。今みたいな感じに命中力重視か、能力調節重視かどっちがいい?」
的の裏にある的は、破壊されていたり、少し傷がついていたりとバラバラだった。これが瞬時に硬さを把握できていないことの証明になっている。
「・・・命中力重視がいいです」
「了解。余裕そうだったから、少し難易度を上げるね」
的の高さを変えたり、距離を取ったり、障害物を立て的を隠したりしている。
「その前に休憩でもしようか」
ぶっ続けで一時間半は集中していることになる。魔力切れとかを考えると休憩を挟んだほうが効率がいいだろう。
「婆娑羅のトレーニング方法は、魔力調節ができてから変更する予定。マリアの方は今作ったものをクリアしてから修正して難易度を上げるって感じ」
俺も格闘術とか戦闘系のレクチャーしてくれる人が欲しいな〜。次の訓練方法は決まっているから大丈夫だろう。問題は婆娑羅の訓練方法だな・・・。出力コントロールができるようになれば、次第とコントロールができるようになるはずだ。
魔力操作を上げること以外でコントロール力を上げる方法って何かあるか?思いつかないな〜。
各自与えた訓練をし、その日の配信は終わるのだった。
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




