1508話
とりあえず行うのは次の階層に進んでいこうとのことだ。もう、ボディーガードの必要はなく、カメラマンしか存在していない。
「見えてる?まあ、見えてるよね・・・ってことで本日も配信をしていこうと思いまーす。ってことで、本日は、次の階層に行こうと思いまーす。次の階層ってどこ?」
「46」
「46階層の攻略行ってみよー!」
誰も足を踏み入れたことのない、46階層の攻略が始まるのだった。46階層の空間は虚無だった。暗闇で何もない状態だ。足元も黒く、壁も黒い。だが、周囲は明るくはっきりと見える。中途半端でおかしな空間だ。
第一魔物の発見だ。近づいてみるとその正体はわかる。蠢く肉塊だ。ぷにぷにとした艶のある肌、血の気の良い生肉みたいな皮膚、どこに顔があるのかわからないほどまん丸とした見た目をしている。間違いなく肉塊の魔物だ。
見た目の嫌悪感がすごい。だが、ゴキブリなんかと比べるとまだマシだ。動きもとろく、近寄ってくるのもゆっくりだ。
「やれ」
近づきたくない婆娑羅から、さっさと殺せと命令が出るのだった。俺は特に忌避感はない。だが、婆娑羅にはあったようだ。
「はいはい」
忌避感はないが気持ち悪さはある。さっさと殺すのが正解だろう。何も情報がない階層だ。慎重にことを進めていく必要がある。念の為カースウエポンを召喚するのだった。そして、作り出したライトジャベリンが肉塊に吸い込まれていく。爆散させようにも爆発判定が消えている。
それだけではない、肉塊に魔力が吸収されていくのだった。半分以上魔力が吸収されると、魔法の維持ができなくなり、ライトジャベリンが消えてしまう。全ての魔力を吸収した肉塊の変化は・・・。肉塊から腕が生えるのだった。地面を這うようにして動いていた肉塊は、腕の力だけで体を引きずるような動き方に変わる。
魔法ではダメだと判断し、カースウエポンに肉塊の体を突き刺すように命令を出す。命令通りに動くカースウエポンは肉塊の体に突き刺さる。その肉塊がすぐに膨張し、カースウエポンを包み込み絡めとる。それにより、新たな腕を作り出すのだった。
カースウエポンの鍔が肉塊の隙間からうっすらと見えている。取り込むタイプの魔物だったようだ。だが、ステータスの吸収やスキルの奪取といった能力はないのだろう。カースウエポンには浮遊能力がある。体を引きずるよりも浮く方が早い。だが使ってこないことから、能力の奪取はないはずだ。動くスピードも変わっていないからステータスを奪うことはできていない。
召喚していたカースウエポンを消す。これにより膨らみ、腕を形成していたカースウエポンは消え、そこを基準として生えていた腕も体の内部に消えるのだった。・・・どうやって倒すのがいいのか?
誤字脱字があればしていただけると幸いです。




