108話
と言うことで俺と部長との戦闘が始まろうとしている。あまり知り合いがいないと言うこともあって声援は少ない。と言っても部長は相変わらず多い。悲しくなんかないもんね。今回は挑戦も兼ねてゴブリン3体と俺で戦うつもりだ。倒されたとしても、クールタイムが開けば復活する。使いたくないが使うしか勝ち目がない。
あの剣士の人なら頑張れば勝つことが可能だ。だが、部長に勝つビジョンが俺1人で見つけることができなかった。そのため、今回は召喚させてもらおう。開始の合図がなり、騎士が飛び出す。それを見越していたのか、部長は空中に浮くことでそれを避ける。さらにカウンターで魔法を飛ばしてくる。それをバックステップで避けながら俺の方に戻ってきた。
だが、それはウィンドカッターだったことから長期戦をするつもりのようだ。先ほどの戦いで魔力が減っている。勝つにはここを叩くしか方法がない。風に強い魔法は何か?と聞かれると真っ先に思い浮かぶのは土だ。アースジャベリンを放つ。それに対処しようとウィンドランスをぶつけるが、それも霧散して消えていく。
このままでは当たると判断したのか、また避けようとしている。そこに投入するのは騎士だ。アースジャベリンの影に隠れて移動している。そのため、俺から見て右を挟みそちらへ回避できないようにしている。もちろん他の準備もしており、魔術師の援護では、左側を狙うように伝えている。
これで回避するとしたら、上か左になる。そのため、勝ちを確信する。俺は上を押さえていて、騎士の手綱は握ってもらっている。振り回されていないのかは心配になっているが、おそらく大丈夫だろう。ともうすぐ当たるので回避をすると構えていた時だった。
フィールド全体に突風が回る。体の軽いゴブリンなため容易に飛ばされてしまった。と言っても重い鎧をつけている騎士だけは生き残っていたので、そのまま攻撃を加えようとしている。
だが、そちらの方に手をやると突風がまい、飛ばされてしまった。部長の頭上には1体の小さい物体が、空を飛んでいる。これが部長の奥の手だったようだ。
「ここからが、第2ラウンドだよ。」
そんなことを言いながら余裕の笑みをこぼす。頭上にいるのは妖精だ。その効果は召喚したものの魔力を使い魔法を放つ、さらにその属性の魔法の威力アップだ。時間がかかると不利になるため、部長がせめてくるだろう。それを迎え打てば勝ちに近づいてくる。
誤字脱字があれば報告していただけると幸いです。
土魔法を選択した理由をわかりやすく言うと、1tの重さに風を当ててもよほど強くなければ浮かすことができないのと同じといえばわかりやすいかな?(ねんのために書いているだけです。)




