107話
開始時間になり、部長と2年生の人が入場している。2年生の人とは関わりがなかったが、キャーキャー言われるほどのイケメンのようだ。部長の方が黄色声援が多かったことは黙っておこう・・・。そっと心の内に沈めた。もし言い合いになってしまったら出てしまうかもしれないからね。ルール説明として、この試合はギブアップか審判の采配で行われるようだ。
今のところわかっていることは、部長は風魔法を使う純粋な魔法使いかもしれないと言うところと、2年生は片手剣を使う剣士だと言うことだ。どちらが勝つか有利な方を指せと言われると剣士の人をさしそうだ。そして、俺がどこまで通用するのかが気になるところだ。
言い訳ができるように、部長と先に戦うことになっている。俗にいうハンデだ。そのため疲れているであろう部長との対決はあまりしたくないところだ。戦うなら万全の状態で戦いたい。なんかこんなことを言っていると脳筋やバトルジャンキーのように思えてきた。どこかのゴブリンの脳筋が俺に移ってきたのかもしれない・・・。
開始の合図が響く。先手は取らせまいと、剣士の人が詰め寄る。だが、部長は空中に回避、そしてカウンターとして魔法を繰り出す。それに斬撃を当て、打ち消す。この辺りになると斬撃も出てくるようになる。警戒するものが増えてしまった。手の内と言っても色々あるので警戒しておくに越したことはない。
打ち消している間に、部長は少し離れたところで着地している。そこに追撃とばかりに行こうとする剣士にウィンドランスをお見舞いする。だが、それは横に方向転換したことにより、後を追って地面に刺さる。そして部長に剣が当たると誰もがそう感じた。だが、その剣は部長に当たっていない。
部長の周りには分厚い膜のようなものに囲まれているのだ。これにより攻撃を防がれてしまった。さらにお返しとばかりに、風圧を相手に与え飛ばす。そして、うまく着地した。時にはもう遅かった。ウィンドジャベリンが展開されており、いつの間にか持っていたレイピアで、喉元に突き立てる。もう勝ちは確定だ。さらに、ここから逆転することができない。レイピアを退けることができたとしても、部長に攻撃を当てなければ、魔法での攻撃がやってくる。
これを防ぐ手立てだが、対魔法用の盾があれば話は別だ。だが、そんな高価なものは持っていないようだ。そのため、剣士はギブアップを宣言した。
と言うことで決着がついたのだが、参考にならない。それが答えだ・・・。
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