表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 夜府花使
1/6

01 幽霊の夢

 複数の見知らぬ友人たちとプールに出かけたところ、友人の1人が脱衣所で死体になって発見され、警察に電話をした。事故か他殺か判らないけど、目の玉やはらわたが飛び出して大変に無惨な有様だと説明したのだけど、

 しかし警察には


「事故なんじゃないの? 殺人事件じゃないと警察は動けないよ。忙しいから明日にして」


 と言われてしまった。

 改めて殺人事件として電話をかけ直した所、


「さっきの人でしょ? 声が同じだから判る」


 と一顧だにされない。


 そうこうする内、死体の友人が生き返ってしまい、じゃあまぁいいかとプールを後にした時には、いつしか自分は中世のヨーロッパ人になっていました。


 中世ヨーロッパは暗黒の時代とも聞きます。

 先ほど死んでいた友人の無惨な遺体の有様が脳裏に残っていて、


(前世であんな風に殺された事があったような気がする…)


 なんて考えたせいかもしれません。

 中世ヨーロッパ人の私は小汚いおっさんで、居酒屋で酒を飲んでいました。

 そこへ男の幽霊が現れて、


「お前の前世に首をかっ切られた者だ。あれから100年経つが、悔しくて成仏できない」


 と訴えられました。


「いい方法がある」


 そう私は言い、傍にあったナイフで幽霊の首を切り裂きました。


「なにをするんだーーーーー」


 と激怒する幽霊に、


「いや、生前に首を切られて死んだなら、幽霊も同じやり方で殺せば生き返るかと思って。無理みたいだね、ごめんね」


 そう謝って色々話し合ったところ、割と気が合う事が判明。


「こんなに気が合うと判ってれば、前世の俺も君を殺したりしなかったろうにね。で、君はナニ人?」


 と話しかけました。


 幽霊が言うには、彼はなんとかスキーという名前のドイツ人で、私はフランスの将校だったそうな。


「なんとかスキーってロシア人ぽくない? なんでそれでドイツ人なの?」


 そう訊くと、幽霊本人も首を傾げる。

 よくわからんなぁと思いつつお開きにしようとしたところ、淋しいから付いていっていいかと乞われてしまったのです。

 ちょっと気持ち悪いなとは思いつつも、自分にも責任ある事だしなぁと思って承諾し、家に案内する事にしました。




【解釈】

 幽霊と対等に話をする夢は吉夢らしいです。

 反面、自分自身に偽りの気持ちもあるとか……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ