第09話 「色んな感情に、止まらない私…」
桃谷さんと一緒に教室に入る…。
まだ青島さんは…来ていないようだ、元私の席にはいなかった。
とりあえず青島さんの席に座り、ホッとため息をつく。
朝からも考えることがいっぱいで…頭が痛い。
これからのことを…青嶋さんと話をしなくちゃ…ずっとこの身体でいる訳もいかないし…。
「なに、ため息ついてるんだ?」
途中で分かれた俊樹が、教室に入ってきて話しかけてきた…。
あの時は、自分でも理解できない感情に戸惑って、俊樹と離れてしまったけど…。
これも一つの悩みの種でもある…私たち昔から親友だったわけだし…好きなのは青嶋さんのわけで。
「さっきもそうだったけど、今日はなんかお前おかしいぞ?何かあったのか??」
「…あっ別に、なんでも…ないよ?」
「なーに言っているんだか、顔には、困ってますって書いてあるぞ?」
「えっ!?嘘??」
私は慌てて、鞄から小さな鏡を出して顔を確認する…ん!?何も書いてないよ。
慌てたり首を傾げたりしている私のその姿を見て、俊樹が笑いだした…もうー!何で笑うかな?
「はははー!相変わらずわかりやすい奴だな、皆人~最高だよ~!」
「むー、またバカにして…」
「そうやってむくれても、可愛いだけだぞ?あははー」
ムカつくムカつくムカつくー!小さい時からこうだ!すぐ私のことをからかってイジメるのだから!
それでも俊樹は、ずっと笑い続けている、マジ…ムカつくんですけど!
「あ~笑った笑った。すまんすまん、後で話はきっちり聞くからそれで勘弁してくれ。」
そう言いながら俊樹は、自分の席に戻っていった。
もうホント腹が立つよ!俊樹が戻った席に睨みつけていると…。
突然、隣の席の女子から声をかけられた…。
「青嶋さん、なんか雰囲気が違うよね?すごく女の子っぽいよ~」
「え!?あっあの…その…」
何も言い返せなくて…恥ずかしくて焦ってしまい、顔を真っ赤にして俯いてしまう。
その姿を見て、周りが興奮したようで…。
「おい、あの青嶋さんが照れているぞ?やばい…可愛いすぎる」
「いつもの青嶋さんと全然違う…すごく可愛いね~」
「マジヤバ!俺、もう一回、告白しようかな…」
なんかクラスのみんなが言いたい放題に言っているんだけど…、
私はそれどころじゃないし、目立ちたくないのに…注目されてしまって
どうしたら良いかパニックになっていると、青嶋さんが教室に入ってきた。
「おいーす!…ん?青嶋…なんかあったのか?」
その言葉を聞いて、私は青嶋さんの手を引いて教室を出て行った。
「おい!ちょっと待てよ赤坂!どうしたんだよ?」
慌てている青嶋さんを無視して、いつもの階段の所に連れてきて手を放す。
私は、昨日からの身体が入れ替わった件、青嶋家での出来事、今日の出来事…、
色んなことがありすぎて、心の中がぐちゃぐちゃになっている。
「どっどうしたんだよ?何かあったのか?」
「どうしたもこうしたもないよ!何で…青嶋さんは、そんなに普通でいられるの!?」
「ふっ普通って?」
「私なんて、突然、青嶋さんになって、生理痛を体験して、訳が分からないことばかりで…」
そう言いながら、私はいつの間にか涙を流して喚いていた…。
ダメ…無理…止まらない…色んな感情に心の中がぐちゃぐちゃになってしまった私は、
泣きながら青嶋さんに思いの丈をぶつけてしまった…。
「わかった…わかったから!そんなに泣くなよ…」
青嶋さんのそんな言葉に、ふと我に戻る…あああ、私はやってしまったよぉぉぉー!!!
ストレスが溜まっていたとはいえ、言いたい放題に言ってしまった…。
「あの…そう…じゃなくて…その…」
冷静になった私は、色々と酷い言葉を言ってしまったのもあり、どうしたら良いか悩んでいた。
でも、青嶋さんは私に対して怒るわけでもなく、申し訳ないような顔をして…。
「赤坂が、そんなに悩んでいたとは、まったく気づかなかったよ…」
「俺は男になれて…かなり浮かれていたのかもしれないな、ごめんな」
私に対して素直に謝ってきた…そう、ほんとに青嶋さんは男前だよね…、
そこが好きになったわけで…そんなこと言われたら。
「私こそ…ごめんなさい…」
「うん…とりあえず教室に戻るか…もう大丈夫か?」
「うん、もう大丈夫」
「放課後にじっくり話するか…それまでは、この状況を我慢してくれ」
「うん、分かった…」
そう言って、青嶋さんは教室に戻っていく、私は少し遅れて教室に帰ることにした。
落ち着いたとはいえ、泣き顔を他の人に見られたくないし、トイレに入って少し化粧を直した。
教室に戻ると、桃谷さんが心配そうに私に近づいてきた。
クラスのみんなも私のことを心配してザワザワしている…目立つのは嫌だな…。
「大丈夫?美沙希ちゃん!」
「うん…何とか落ち着いたよ」
「いきなり赤坂くんを連れて行ったから…ビックリしたよ」
うん、自分でもビックリしている…なぜか身体が勝手に動いちゃった…そんな感じ。
朝からみんなの注目を受けるような行動は、控えたかったのに…。
「それで、赤坂くんとは何の話をしたの?…それに目…美沙希ちゃん…泣いちゃった?」
さすがは桃谷さんだ…化粧では誤魔化しきれなかった…。
とてもここでは話せる内容だったので…何も言えず黙っていると…。
「うん、分かった、放課後でみんなで話しようね~何かあったら私に相談してね~」
「我慢しちゃだめだよ?この間みたいに倒られた困るから…ね」
「うん、ありがとう汐里、頼りにしてるね」
「うん!頼りにしてね」
桃谷さんは、私に軽くウインクして、自分の席へと戻った…。
ホント桃谷さんには頭が上がらない…何もかもお見通しのようだった、敵わないな…。
身体が変わっての戸惑い…家族事情…これからの生活に対しての不安…、
まだまだ、問題は多いけど、何とか乗り越えていこう!…そう思って授業に臨むことにした。
うーん、話が進まないw
最初だから書きたいことが多すぎて、仕方ないんだけどw
少しずつ書いていると、勝手にキャラクターたちが喋りかけてくるから
色々と考えながら書いておりますw
やっぱ小説を描くのは面白いです、引き続き頑張ります!