第07話 「青嶋家の家族事情」
桃谷さんと一緒の帰り道…青嶋さんの家族事情を色々と教えてもらった…。
両親とも仕事一筋な方々で、子どもの青嶋さんのことをあまり構っていなかったらしい…。
特に中学上がったころからは、完全に無視されていたらしく、家でも孤立していたらしい…。
「私の家族とは…全然違う…何か悲しいね」
「…うん、家庭事情は人それぞれだけど、美沙希ちゃんはかわいそう…」
そんな青嶋さんの両親と上手くやっていけるのだろうか…。
すごく不安になってきた…私、コミュ障だから…。
「ここが美沙希ちゃんの家だよ~、私の家はすぐそこだから」
「何かあったらすぐに連絡してね~」
「うん、ありがとう汐里、また明日ね~」
「うん、また明日ね~」
そう言って桃谷さんと別れた…教えてもらった家の鍵を手に持ち、緊張しながらカギを開ける。
恐る恐る玄関の扉を開ける…。
「…たっただいま~」
桃谷さんの話通り、まだ両親は帰ってきていなかった…何だかホッとする私。
でも何だろう…この異様な臭いは…靴を脱いで廊下に上がり、臭いがするリビングへ…。
「え!?これは…」
私は言葉を失った…食べたものがそのままになっており、すごい臭いを醸し出している…。
あちこちに洗濯されていない衣服が散らばっているし…。
「青嶋さん…こんな中で生活していたんだ…」
「青嶋さんの両親とも忙しいと言ってたし…うん、私が何とかしなきゃ!」
私は、制服のままではだめだと思い、青嶋さんの部屋へと向かう…。
桃谷さんからある程度情報は聞いているから…うん、この部屋だね。
部屋を開けて更にビックリする…え!?これが女の子の部屋なの…?
部屋の中は殺風景で…物が少ない…しかも服は脱ぎっぱなし…よし!ここから始めようか!
私は、部屋着を探し出して、着替えることに…。
あ…そうだった、私は今…青嶋さんだったんだ…着替えるってことは…良いのかな…。
着替えないと制服が汚れちゃうし、今は仕方ない…と自分に言い聞かせ、制服を脱ぎだす。
制服を脱いで、下着姿になった青嶋さんの身体を鏡越しで見てしまった…。
スタイルがすごく良くて…すごく綺麗だった…見てはいけないと思うのに…
その美しさに目を奪われてしまった…ごめんなさい、青嶋さん…。
気を取り直して、部屋着を探す…。
可愛いピンクのスウェットを見つけたので、それに着替えることにした。
よし…お掃除開始だー!頑張るぞー!!
部屋の片づけをしながら、私はふと思うことがある…。
コンビニで買ったお弁当など、青嶋さんは…ここで食事を済ませていたのだろうか…。
本人も両親に興味がなく、両親も青嶋さんに関心がなかったという…。
「なんか…家族なのに、寂しいね…」
私の家族は、すごく暖かかった…今思うと…すごくそれをすごく感じる…。
両親は優しく接してくれるし、妹はすごく難しい時期だけど…それなりに接してくれる。
家に帰ると…食事を一緒に取るし、会話もあって…すごく良い家族だと思う…。
「青嶋さん…毎日、こんな寂しい思いをしてたのかな…」
何か悲しくなってきたけど…とりあえず部屋の掃除をしていこう。
まずは、ゴミを仕分けしていこう…燃えるゴミと空缶とペットボトルに分けて袋に入れていく…。
かなりの量のゴミだよ…よくこんなところで生活できたと思う…私には無理だ…。
「ほんと…青嶋さんはだらしないな…」
男らしさには憧れていたけど、女性らしさが全然ないのはいかがなものだろうか…。
ブツブツ文句を言いながら、何とか仕分けをすることが出来た、ふー疲れたよ。
片づけるのにかなりの時間を有したので、今日はこの辺でお風呂に入って明日に備えることにした。
「かなり汗かいちゃったし…お風呂に…って、どっどうしよう…」
お風呂場に来て、服を脱ごうと思って気が付いた…今は青嶋さんの身体なわけで…。
このまま青嶋さんの裸体を見てしまっていいのだろうか…。
ダメダメと思えば思うほど、余計に気になってしまい、一枚一枚と服を脱いでいく…。
「…すごく…綺麗」
何回見ても、すごい美少女である青嶋さん…。
興奮はしたけども、それ以上に…何と言うか感動をした。
綺麗な景色を見たような…とか、美しい絵画を見たような…とかそんな感動だった。
「…くしゅん!…やばい、汗かいてたんだった」
このままでは風邪を引いてしまう、兎に角…お風呂に入ることにした。
色々と思うところがあったけど、お風呂に入ることが出来ました。
髪を乾かしていると…もうこんな時間!青嶋さんのことが気になるけど
明日聞くことにしよう、寝ることにした。未だに青嶋さんのご両親は帰ってこない…。
ホントに仕事が忙しいみたい…もう高校生とは言え、娘のことは気にならないのかな…。
「ふわぁぁ…今日は色々ありすぎて疲れちゃったな…寝よ」
部屋の片づけとかは、また明日にして、ベットに横になり目を瞑る…。
意識が夢の中へと入りかけていた時、下の階から怒声が響く。
「今、何時だと思っているの!いつもいつもあなたは仕事のことばかりね!!」
「そう言うお前だってそうだろうが!家のことを放っておいて、仕事ばかりじゃないか!」
青嶋さんの両親が口喧嘩を始めだした…。私の両親は温厚でケンカしてるところを見たことが無い。
余計にすごく怖かった…。家族にもいろいろとあるのだと痛感させられた…。
怖くて悲しくて、ベットの中でいつの間にか泣いていて、泣き疲れて眠っていた…。
私の夢のような衝撃的な一日が終わるのでした…。
何とか書き上げました…。
夏バテです…仕事が忙しかったです…。
何回も書こうとするのですが、疲れて書けず寝ていました(´;ω;`)ウゥゥ
少しは涼しくなってきたので、ペースを速めたい所ですね
頑張ります!