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僕は、憧れのカノジョ!?  作者: アルシィア
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第24話 「青嶋さんの思い…みんなの思い…」

青嶋さんたちがいる、体育館に向かう…。

これまでも色々なことがあった…大変なことも困ることも…。

でも、その毎日が慌ただしくても、何となく楽しくて、周りにみんながいて…。

少しは悪くないのかな、この生活もって…考えたりもする。


でも、これから一生と思うと…それではダメだと思う…。

私の生活があり、もちろん青嶋さんの生活もある…元に戻さないと…。


体育館に着くと、バスケの部活は始まっていて、俊樹たちは、ランニングを始めていた。

休憩中に話しかけると…他の人に聞かれるとまずいから、部活が終わるのを待った方が良いね…。

仕方なく体育館の隅の方で、座って練習を眺めることにした…。


「おい!また青嶋さんが、練習を見に来ているぞ…マジか…」


「これは…マジで、この部の誰かを…意識してるってことだな!」


「やべーこれは…練習を頑張らないとな!」


何か、部員のみんなから…すごくやる気が漲っているんですけど…何かあったのかな?

ふと目をやると、俊樹と目が合って軽く手を振ってきた…。

恥ずかしいけど、小さく手を振り返す…それを見て湧き上がるみんな…何だかな…。


桃谷さんと話しながら、練習を見ていると、あっという間に時間は過ぎて行った…。

休憩中、俊樹がずっと私の側から離れてくれなくて…その間、みんなに茶化されたんですけど…。

俊樹が、とても楽しそうだったので、怒るに怒れず、その場に流されている私…。


別に俊樹と一緒に居るのは、嫌じゃないのだけど…周りの反応があるだけに…、

注目される私としては、それが耐えられない訳で…とても疲れる…。


練習が終わり、バスケ部のみんなは着替えに部室に向かう…。

帰る青嶋さんを捕まえようと、部室から校門へと向かう道で待つことにした…。

だけど…青嶋さんと俊樹が部室を向かわずに、体育館の裏側に向かうのも見かけて…。

桃谷さんと一緒に向かった…。


少し離れた場所で、盗み聞きをしてみると…。


「なんだよ?翠川…こんなところに呼び出して」


「すまないな、青嶋…皆人のことで、少し相談があってな…」


「皆人!?…ああ、赤坂のことか、それで…なんだよ?相談って」


俊樹が青嶋さんに…私のことで相談!?一体、何のことだろう…。

何も思いつかないまま…俊樹の話が続く。


「…皆人を、そのまま…お前の身体のままで…元の身体に、戻らないでくれないか?」


え!?…俊樹が、そんなことを!?…このままで良いの!?

あの告白は…本気だったんだ…冗談を言う彼じゃないのは、分かってたつもりだったけど、

ここまで…真剣だったなんて…私…どうすればいいの!?


「ハァ…なんだ、そんなことか」


「俺は、あれからずっと思いは変わってないぞ?元の身体に戻る気はない」


私の悩みなんて、何のその…青嶋さんは、ケロッと答える。

最初からずっと…変わらない、私の身体のままでいたいと。


「おい!赤坂!!そこにいるんだろ?こっちに来いよ」


「えっ!?皆人…いたのか」


青嶋さんは、最初から分かってたみたいで…隠れている私たちに声をかける。

もう隠れる必要もないので、青嶋さんたちの所に向かった…。


「まぁあれだ、聞いてたから分かると思うが…俺は、このままが良い」


「俺の念願の思いだからな…やっと男になれたんだ、この身体を返すつもりはないぜ」


そう言いながら、青嶋さんは、過去の自分の話をしだした…。

桃谷さんは、すでに分かってたみたいで、うんうんと頷く。


「兎に角、俺は…小さい時から女の服を着るのが嫌だった…」


「両親は、一人っ子だった俺のために、いっぱい女の子の服を買ってくる…」


「スカートなんて穿きたくもないのに、俺を着飾るから…我慢して良い子にしていたけど…」


「歳を重ねるごと、その想いが我慢できなくなって、爆発して…親に反抗したんだよ」


そう…女として生を受けたのが、苦痛だと話す青嶋さん…。

そんな苦しい思いをしていたなんて…思ってもみなかった。


「美沙希ちゃん…何だかんだ真面目だから、学校の制服は嫌でも着てたんだよね~」


「ま~な、親には迷惑をかけたくねーし、嫌いでも…俺をここまで育ててくれたからな」


「…嫌ってないよ…青嶋さんのご両親は…」


その言葉を聞いて、思わず私は…言ってしまった…。


「赤坂も、俺の家に行って分かっただろう?俺のことなんか…」


「違うよ!…ご両親は、青嶋さんのことを…すごく大切に思っていたよ?」


私の言葉を聞いて、驚いた顔をした青島さんだったけど…なんか納得した顔をして…。


「そうか…おまえなら、上手くやれそうだな…」


「え!?どっどういうこと?」


「おまえな…そろそろ自覚したらどうなんだ?」


「じっ自覚!?何のことだか、さっぱり…」


私だけ、訳が分からず、みんなの顔を見てみると…私以外、みんな納得した顔をしている…。

え!?なにそれ?私だけ、仲間はずれなの??


「ああ…翠川も相当、苦労するな、これは…」


「まーな…でも、そこがまた可愛いから…良いんだけどな」


「うんうん、美沙希ちゃんは、すごく可愛い~♪」


「はっ!物好きな奴らだな…まぁ、好きにしな」


「そう言いながら、照れる赤坂くんも…可愛いぞ~?」


「こら、汐里ー!俺を可愛いと言うなって、言っておいただろうが!」


「きゃあ~♪怒る顔は、クールでカッコイイぞ~♪」


「ちっ!お前には敵わないぜ、まったく…」


「うふふ~♪」


置いてけぼりの私を余所に、みんな…この話を終わらせようとしている…。

ちょっと、待ってよー!私は、何も納得していないんですけど-!!


「ちっちょっと待ってよ~私は、何一つ納得してないんだけどー!」


「赤坂…ホントお前は、めんどくさいやつだな…」


「この際だから、はっきりさせておく!」


そう言って、私の方に指を指して…。


「お前はな?…男じゃない…女なんだよ!」


「え!?私が…女??」


理解できないまま…青島さんの言葉だけが、私の頭の中に響き渡るのでした…。

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― 新着の感想 ―
[一言] 久々に読みに来ました。 やっぱり俊樹みたいなキャラは嫌ですね。自分勝手で相手の気持ちなんて考えずに無理矢理……。 もし皆人が元の体に戻ったらどうなるでしょうね。
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