第20話 「私の決断…幼馴染の気持ち」
それから授業が進み、嫌な体育の授業も終えて…。
お昼休みの時間となった、授業に集中していると…時間が経つのも早い。
私は、早速、自分の作ってきたお弁当を持って、屋上に行くことにした。
教室で、お弁当箱を開けると…みんながなぜか寄ってくるわけで…。
落ち着いて食事もできない…お昼休みぐらい、ゆっくりさせてほしいよ!
屋上へ行くと…もうすでに何人か他の生徒が来ていて…。
「あれ?青嶋さんだ…いつも見ても可愛いな~」
「青嶋さんが、こんなところでお昼を取っているなんて…」
うう…ここでも注目されるなんて…やだな~。
それほどに、青嶋さんの姿は可愛いのだ…注目されるのは、分かっているのだけど…、
いざ、自分が注目される側になると…すごく嫌だよ…人見知りが激しいのに…。
どうしようか迷っていると、後ろから…。
「待ってよ~美沙希ちゃん!」
桃谷さんが走ってきて、私を捕まえてきた!?
「どっどうしたの、汐里?」
「どうしたの?じゃ~ないよ!一緒にお昼をしようと思ったら…急に、いなくなるんだもん!」
「慌てて追いかけてきちゃったよ~あ…疲れた~」
そう言いながら、全力で走ってきたのか?肩で息をしていた…。
私は、桃谷さんのその姿がすごくおかしくなってきて…。
「ふふふ…もう~汐里ったら!」
「あっ!酷ーいよ、美沙希ちゃん~笑うことないじゃない~!」
「ごめんごめん~だって…そんなに、必死に追って来るから~」
「むー美沙希ちゃんのこと、心配だったから来たのに~」
そんな会話を交わしながら、2人して笑いだした。
「うふふ…やっと笑ったね~♪やっぱり、美沙希ちゃんは、笑顔が一番だね~、か~わいい!」
「もう…汐里には、適わないな~」
「うふふ~美沙希ちゃんのことは、全て…お見通しだよ?」
そう言って振り返りながら、ウインクをする桃谷さん…。
ほんとに、コロコロと表情が変わって、私よりも…あなたのほうが、ずっと可愛いです!
「美沙希ちゃん、お昼まだなんでしょ?一緒に食べよ~」
「うん、座れる場所を探そうね~」
そう言って、2人で座れる場所を探す…、一番奥のベンチが幸い空いていたので、
そちらに移動して、一緒に並んで座る…お弁当箱を足の上において…箱を開ける。
「うわ~美沙希ちゃんのお弁当、美味しそうだね~もしかして…手作り?」
「うん、赤坂の家で母さんを手伝って料理をしていたし…家事全般が、得意になっちゃった」
「そうなんだ~すごいね!あっこの唐揚げ、美味しそう~私のこのおかずと交換して~?」
「うん、いいよ、どうぞ~」
私の唐揚げと桃谷さんのミニハンバーグと交換して、それぞれの口に運ぶ…。
うん、良い味付けをしてる…これは参考にしないと…。
「うわ~この唐揚げ、美味しい~♪美沙希ちゃん、料理上手だね~」
「ありがとう~このハンバーグも美味しいよ~誰が作ったの?」
「うふふ…それはね?私…のお母さんなの!」
ドヤ顔をする桃谷さん…そこは、自慢するところではないのでは?
思わず、私はズコっと、こけそうになった…これは…コントですか!?
「私はまだ料理ができないから…そうだ!美沙希ちゃん…今度、料理教えてよ~」
「うん、いいよ~いつでも言って」
「もう~美沙希ちゃん…大好き~♪私のお嫁さんになって~」
そう言って、私に抱き着いてくる…桃谷さん。
私は男なのに…お嫁さん…なのですか?っと、心でツッコミを入れておく。
そんな私たちのやり取りを、周りのみんなから…。
「青島さんと桃谷さんが…ああ…なんて、尊いのだ…」
「なんて…素敵な2人組なんでしょ…心がときめくわ~」
なんか…周りから、変に見られているんですけど…桃谷さんとは、そんなのじゃないし!
後から、噂になっていた話が…桃谷さんがタチで、私がネコって…言われてたんですけど…。
なにそれ!?私は…ニャンコなのですか??意味が分からないよ…。
桃谷さんと楽しくお昼をとった、お昼休みも終わり…午後からの授業が始まった…。
勉強のできる私には、授業が楽しく集中して、先生の言葉や黒板の文字をノートに書き写していく…。
そんな私の姿を見て、周りがざわついている…。
「最近の青嶋さんは…すごくないか?なんか優等生みたいだ…」
「ああ…真剣に授業を受ける姿…なんかヤバいな…綺麗すぎる…」
「前はあんなに得意だった、運動が全く駄目で…でも、なんかドジっ子ぽくて…良いよな~」
みんな…私のことを言いたい放題に話し合ってる…授業に集中したいのに…気が散るよ…。
目立たないように、振る舞っているつもりなんだけど…何かと話題にされている…。
青嶋さんの方を見ると…授業中は寝てばっかりだし…余計に噂になるんだけど!
後で、注意をしておかないと…2人が入れ替わってる…って思われると、非常にまずいし!
私の悩みを余所に、時間は流れていき、放課後となった…。
俊樹…幼馴染であり親友である、彼への返事をしなければならない。
彼の元へ向かい、声をかける…。
「俊樹、ちょっと良いかな?屋上に来てほしんだけど…」
「おう、分かった」
「私は、先に屋上へ行ってるね…また後で」
「おう」
そう言うと、私は、カバンを持って教室を出た…歩きながら色々と考え込む。
自分の中で…まだハッキリとした答えは出ていない…それは、これから出していけば良いはず。
俊樹は、きっと分かってくれるはず…今まで彼との関係だと、大丈夫と背中を押す。
考え事をしていると…いつの間にか、屋上に着いていた。
この時間は、心地よい風が吹いて…寒くもなく、とてもいい気分にしてくれる。
今日、桃谷さんと一緒にお昼を取った、奥のベンチに座り、俊樹を来るの待つことに…。
見晴らしのいい校舎の屋上から、見下ろす街並みは、とても綺麗だった…。
嫌な事も忘れさせてくれる…そんな素敵な景色を眺めていると…。
「またせたな、皆人…」
「ううん、この街並みを見てたら、時間を忘れるぐらいだよ?気にしないで」
「その横顔を…少し見惚れていた」
「もう…俊樹のバカ」
またそんな、ドキッとする言葉を簡単に言う…綺麗なのは青島さんであって、私じゃないのに…。
少し拗ねた顔をしていると、バツ悪そうな顔をして…。
「悪い悪い、隣に座っていいか?」
「うん、どうぞ」
そう言うと、私の隣に俊樹が座る…少し隙間ができるぐらいの距離で彼は座り…、
今の、私たちの曖昧な関係のようだった…。
「あ、そうだ…弁当サンキュー、相変わらず、お前の料理は美味いな」
そう言って、今朝に渡したお弁当箱を返してくれた…。
私はそれを受け取り、トートバックの中に収めた…。
私の料理を美味しいって、言ってくれるのはすごく嬉しい~♪頑張った甲斐があったよ。
「ううん、昨日のお詫びだから、気にしないでね~良かったら…また作るけど?」
「マジか!?最近、母さんが忙しくてな…いつも学食で困ってたんだ」
「それでか…お昼になると、いつもいなくなってたもんね」
「たまに学食も良いが、毎日となると…流石に飽きてくるわ、マジ助かるよ!」
「うん、分かった、自分の分を作るから、手間もそんなにかからないし」
誰かのために、料理するのは楽しいから、また明日から頑張れるよ!
ちょっとウキウキしてたのだけど…話題が尽きて…少し、沈黙の時間が流れる…。
そろそろ本題に入らないと…そう思っていたら、彼から…。
「なぁ、皆人…昨日の返事、聞かせてくれないか?」
「…うん、俊樹のね?好きだ…って言葉、本当は、嬉しかったんだ」
「…」
「でも…それが、どんな気持ちなのか…ハッキリと分からないだ…」
「親友としてなのか…それとも…」
「…そうか」
「それに…私は、まだ青嶋さんのことが…」
「うん、それは分かってる」
「うん、だからまだハッキリとした返事は出せない…ごめんね」
すごく卑怯なのかもしれない…ハッキリと断れない自分がいる…。
俊樹を苦しめるだけなのかも知れない…でも、親友を失いたくない…。
少し涙ぐんで、俯いていると…。
「すまなかったな、皆人…お前を苦しめるだけになってしまって…」
「俺が…気持ちを押さえられなかっただけに」
「だけど!俺の気持ちは変わらない…例え、どんなことになっても…だ!」
「…ありがとう、俊樹」
そう言って、俊樹の方を向いて、今できるだけの笑顔を見せる…。
ごめんね、俊樹…そんな気持ちを込めて…そうすると…彼の顔が近づいてくる!?
「えっ!?…んっ!?」
突然、彼からのキスをされてしまった…軽くお互いの唇をつけるキスを…。
え!?どうして?私は、頭の中がパニックになるのでした…。
ようやく20話まで来ました…良く続いたものだと…w
少しテンポが遅く、ダラダラと書いてる感じはあります(>_<)
反省です…もう少し、展開をうまく書いていきたいですね。
来週は忙しくなるので、日曜だけの更新かも…知れないw
今週は、割と暇だったので、仕事中にも書いてしまいました…ダメですねw