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僕は、憧れのカノジョ!?  作者: アルシィア
19/28

第19話 「自分らしく…そんな日常を目指して」

昨日は、すごく疲れていたのか…グッスリと眠ることが出来た…。

俊樹からの突然の告白で…私の心は、すごくかき乱されてしまっていた…。


小さい頃から、頼りになる彼…私が、いつも誰かに虐められていると…すぐ助けに来てくれる。

同じ歳なのに、お兄ちゃんのような気がして…ずっと、背中を追いかけていた気がするな~。

そんな彼にも、憧れを抱いていた…人を守れる男になりたいと…。


でも、私って…いつも誰かに、守られてばかりな気がするよ…。

あの頃から…全然、成長してないわけね…何をやってきたんだろう、私って…。

ダメダメ…朝から、ネガティブでは…今日1日、ずっと引きずっちゃうから。


そういう時は、家事に限る!朝食とお昼のお弁当を作ろうかな?

そう思い、制服に着替えて、キッチンへと向かった…。

今日は、青島さんのお母さんがコーヒーを飲みながら、テレビを見ていた…。


「おはよう、美沙希」


「おはようございます、ママ…」


相変わらず、青島さんには興味がないのか?挨拶をしたら、またテレビの方に目を移していた。

これ以上、会話は望めないと思ったので、朝食とお弁当の準備をすることにした。

そうだ、俊樹の分のお弁当も用意しようかな?唐揚げが好きだったよね、確か…。

昨日のお詫びに、俊樹のお弁当を作ることにした。


誰かのための何か出来ることは、私にとってすごく嬉しいことで、

料理だってそうだ、誰かに美味しく食べて欲しい…、

そんなことを考えながら、料理を作っていると…。


「フンフン~♪フフ、フン~♪…」


自然と鼻歌を、歌い出す自分がいる…楽しくて、つい~癖、なんだよね~。

そんな調子で、作業を進めていると…。


「え!?何、美沙希!?あなた…いつの間に、料理が出来るようになったの?」


「はっはい!?高校生に…なったから…少しずつ、料理を練習してたの…」


いきなり、青嶋さんのお母さんから声をかけられたから…声が裏返ってしまった…。

あ~びっくりしたよ…完全に、自分の世界へ入り込んでいたよ…。


「ふ~ん、ようやく、あなたも女性としての自覚を持ってきたってことね…」


「そっそうかな…」


そう言いながら、私のことをジロジロ見てくるんですけど…。

これは…ヤバい!?私が青嶋さんじゃないってことを…バレてしまったのかな…どうしよう…。


「美沙希、あなた…もしかして…」


「……」


私は、覚悟を決めた…青嶋さんには、申し訳ないけど…。

ちゃんと、青島さんを演じきれなかった…私が悪いのです…。


「恋をしているわね!」


「ふぇ!?」


まさか…思ってもいない言葉を耳にして…変な声が出てしまった…。

しかも、してやったりと…すごくドヤ顔している、青嶋さんのお母さん…何なの、いったい?


「学生時代は…もう返ってこないわ~良いわね~青春時代…懐かしいわね…」


「…あの~ママ?」


「お弁当も…1つ余分に、作っているのもそうね!いつの間に、彼氏を作ったのよ~」


「…聞いてよ~ママ…」


いくら話しかけても…相手にされず…自分の世界に浸っている、青嶋さんのお母さん…。

青嶋さんの強引さは、この人の遺伝なのか!?…相手するのも疲れてきたよ…。


「良い高校生活をしなさいね!私は、仕事に行ってくるから~ラン~ララン~♪」


結局、最後まで私の話を聞かずに、さっさと家を出て行ってしまった…。

何!?この虚しさは?…私はどっと疲れてしまった…。

これから、学校へ行かないといけないと言うのに…。


でも、青嶋さんのお父さんにしろ、お母さんにしろ、少しはコミュニケーション…取れたかな?

少しでも…前進していたら良いな~うん!ガンバロー!!

私は朝食を済ませ、学校へ行くために、家を出ることにした…戸締りはしっかりと…っと!


学校へ向かう途中で、俊樹の背中を発見した…どう話かけようか迷ったけど…、

私らしくないな~と思い、普通に駆け寄り、声かけることに。


「おはよう、俊樹」


「おう、おはよう、皆人」


お互い、ぎこちないながらも挨拶は出来た…でも、意識してしまって、会話が続かない…。

俊樹との関係が、こんな事で終わってしまうのは、嫌だ…昨日のことは、キチンと謝ろう。


「…あのね、俊樹…昨日は、ホント…ごめん」


「ああ、気にするな…俺も悪かった…皆人、ごめんな」


「ううん…ビックリしただけだから」


「そうか…まぁ、この話はまた後でしようぜ、周りから変に思われるしな」


「うん…そうだね」


それからは、いつも通りの2人に戻って、普通に雑談をすることが出来た。

俊樹といると…安心するから、2人の関係が、いつまでも続けばいいな~と思う。

あ~お弁当を作ってきてたんだった…みんなのいないところに俊樹を呼ぶ。


「俊樹、ちょっと…こっちに来て」


「ん!?何だ?」


「はい…これ」


「…これは?」


「昨日のお詫び、お弁当を作ってきたんだ、お昼に食べて」


「ほう~それは、ありがたくいただくわ、サンキュー、皆人!」


嬉しそうに、私から、お弁当箱を受け取る…うん、渡せてよかったよ!

味も俊樹好みな味付けにしているから、気に入ってくれると良いな~。


教室に着くと…桃谷さんが慌てて、私の元に飛んできた!


「美沙希ちゃん!昨日は、大丈夫だった!?私、心配で心配で…」


「あっうん、ごめんね…昨日は、挨拶もしないで帰って…」


「ううん、そんなことは気にしないで!…それよりも、碧川くんと何かあったの?」


「そっそれは…うん、話せるようになったら、相談するね」


「そっか…うん、分かった!無理しないでね?美沙希ちゃん」


そう言うと、嬉しそうに自分の席に戻っていった…。

桃谷さん…ごめんね、今は話せないから…。

一息ついたところで、青嶋さんがやってきて…。


「…大方、あいつになんか言われて、悩んでいるんだろ?赤坂」


「えっ!?…そう…なんだけど」


「お前の好きなようにしろよ…俺は、何も言わないから」


青嶋さんは…それで良いの?自分の身体なんだよ??

私に、好き勝手使われて…何も言うことが無いの??


「お前は、納得をしてないだろうが…俺も、お前の身体を好き勝手に使っているからな」


「俺の身体をどう使おうが、文句は言えないだろう?」


男性と女性の身体では、そうはいかないと思うのだけど…。

青嶋さんと意見が合わない以上、ここで言い争っても、先に進まない気がする…。

でも…このままじゃいけない気がする。


「青嶋さんが、そう思っていても…私は、諦めてませんから…」


「元の身体に戻ることは!」


「…そっか、まぁ好きにしな」


そう言って、青嶋さんは席に戻っていった…。

そうだよ…私が諦めない限り、元の身体に戻ると気持ちを忘れなければいいんだよ!

俊樹との今までの関係もあるけど…恋人の関係になるわけにもいかない。


私は、気持ちを引き締めることにした、この生活に慣れる訳にもいかないのだから。

それから授業が始まり、いつもの学校生活が始まるのでした…。

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