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僕は、憧れのカノジョ!?  作者: アルシィア
15/28

第15話 「すれ違う想い…交わらない気持ち…」

嫌な体育の授業で、ハプニングがあり、倒れる私…。

ここのところ全然ついてないよ…不幸が、余計に酷くなったかも…。

男子の時でも、不幸が1つ始まると…何かと続いちゃうんだよね…。


「はぁ~…」


深いため息をつく…今日の授業も終わり、放課後となった。

今日こそは、青嶋さんと一緒に、元の身体に戻る方法を模索しないと!

それよりも…私が教室に戻ったときは、すごいことになってた…。


「青嶋さん、大丈夫!?ケガとかはないの?」


「青嶋、ホントに大丈夫か?無理すんじゃないぞ」


「うっうん、みんな、ありがとう…心配してくれて…大丈夫だから…」


クラスのみんなに、とても心配されていたようだ…倒れ方が普通じゃなかったしね…。

目立ちたくないのに…目立ってしまっている…反省しなきゃ。


「何やってんだよ、お前はアホなのか?ボールを避けれないとか…あり得ないだろう?」


そう怒ってくる青嶋さん…青嶋さんのプレイに見惚れてました…って、

そんなことが言える訳もなく…反論ができない私…。

落ち込み、下を向く私に…。


「まぁそんなこと言うなよ、皆人」


「青島も体調が悪かったんだろうし…大事に至らなくて、良かったじゃないか」


「そっそうだけどよ…」


なんだかんだ、私をかばってくれる俊樹…小さく「ありがとう…」というのが、精一杯だった…。

「気にすんな」って小さく答える俊樹…ほんとイケメンです!


「それよりも…皆人?今日の体育で思ったんだが、お前…バスケ部に入らないか?」


「ん!?…バスケ部か…どっちにしろ、身体も鍛えられるし…まぁいっか」


「いいぜ!バスケ部に入ってやる」


「おう!ありがとうな、頑張ろうぜ!」


「おう!」


何か2人で盛り上がってるんですけど…でも、青島さんのあのプレイを見ていれば

すぐにバスケ部のレギュラーにはなれそうな気がするよ…運動神経は、すごくいいんだもんね…。

意気投合した2人は、部活のために体育館へと向かっていた…あれ?元の身体に戻る話は…?


「…青嶋さん、放課後、元の身体に戻る方法を探すって話は…どうなったんですか?」


「ん!?そんな約束したっけ?俺、今から部活に行くんだけど」


「そっそんな…」


「俺は…元の身体に戻る気はないんだ、悪いな赤坂、じゃあな」


私にとって…絶望的な発言をされて、その場で何も出来なかった…。

そのやり取りを聞いていた俊樹が…私に語り掛けてくる…。


「皆人、部活が終わったら…お前に話があるんだけど、時間あるか?」


「えっ!?…うん、良いよ」


「時間あるなら、部活の練習を見て行けよ?部のみんなが喜ぶから」


「…何それ?暇だし、別に良いけど…」


青嶋さんが来るのが良いわけで…私が行くことに…何が良いのだろう…。

それよりも…先程の青嶋さんの言葉が…頭から離れない…。

青嶋さんの考えることが理解できない…元の身体に戻りたくない…とはどういうことなのか…。


「大丈夫?美沙希ちゃん…」


「汐里…うん、少し考え事をしてただけ」


「赤坂くんは、元の身体に戻りたくない…って?」


「…うん、私には…その気持ちが分からなくて…」


私の真剣な顔を見て、少し悩みながら…桃谷さんがボソッと喋り出した…。


「美沙希ちゃんね?あっ今の美沙希ちゃんじゃなくて、赤坂くんのほうね~」


「小さいころから、男の子ぽくって、男子と混ざって遊んでたんだ」


「そんな彼女と一緒に居たくて、私も遊んでたんだけど…」


「やっぱり女の子だと…身体の限界があってね?思春期になると男の子との差が出てきちゃって」


「身体つきも変わってくるじゃない?そうなると男子とは、疎遠になっちゃうし…」


「かと言って、今更…女子とは仲良く出来なくてね…美沙希ちゃん、クラスで浮いちゃったの」


「今、男子になれて…すごく嬉しかったじゃないのかな~?」


「あんなに楽しそうな美沙希ちゃん…初めて見たし~」


「…あっでも、今の美沙希ちゃんにとっては、良くないことだよね…」


「元の身体に戻りたいわけだし…」


「…そっそれは」


桃谷さんから、青嶋さんの事情を聴いて、さっきの言葉について…怒る気にもなれなかった…。

私は、この先どうしたいんだろう…今の青嶋さんの状態を見て、昔話を聞いて…、

すぐにでも、元の身体に戻りたいと…言えるのだろか…私には、分からないよ…。


「私がね?こんなことを言うのもおかしいと思う…けど、もう少しだけ、様子を見てくれないかな~」


「そのうち飽きて、元の身体に戻りたい!って言ってくるかもしれないしね~」


「…うう、そんな簡単に割り切れないけど…分かった、様子を見てみる…」


「ありがとう~美沙希ちゃん!」


そう言って、桃谷さんが飛びついてきた…ううぅ、そんなお願いは卑怯だよ…。

すごく嬉しそうに抱き着いてくる桃谷さん…、まぁみんなが楽しそうなら…別にいいのかな…。

いつまでも…このままとは行かないだろうし…多分。


「今の美沙希ちゃん…と~っても可愛いから、元に戻ってほしくないんだよね~♪」


「へっ!?私が…可愛い??」


「ほら~そうやって照れる美沙希ちゃん、可愛いな~♪」


そう言って、すぐさまスマホを構えて…写真をパチリ!

だ~か~ら~すぐ、写真を撮るな~!!


「む~すぐそうやって、写真を撮るの…やめてくれる?」


「お!?拗ねた、美沙希ちゃん…シャッターチャンス~♪」


また撮られた…もう…このままじゃ、ずっと写真を撮られちゃうよ…。

そう思うと、おかしくなってきて…笑いだす。

桃谷さんには…敵わないや…いつも私が悩んでいると、そうやって和ませてくれるのだから…。


「うん、良い笑顔だよ~美沙希ちゃん~♪」


「もう…汐里には、敵わないよ~」


「じゃあ、行こう?バスケ部の練習を見に行くんでしょ?」


「うん!行こう~」


頭の中にあったモヤモヤが、晴れて言った気がするよ…。

ありがとう、桃谷さん…恥ずかしくて…そう言えない私を許してください。

そんなことを思いながら、体育館に向かうのでした…。

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