第13話 「何事もうまくいかない日々…」
うーん、昨日は疲れすぎてよく眠れたな~。
ベットから身体を起こし、んんっと身体を伸ばす。
「うん、今日もいい天気~♪」
昨日も色々とあって大変だったけど…この青空を見ると少し気が晴れてくる。
この嬉しい気分で行動をしたいと思い、パジャマを脱いで制服に着替える。
さすがにもう慣れてきたな~女子の制服に着替えるのも。
「朝ごはんとお弁当の準備をしなきゃ」
部屋から出てリビングに向かった…。
今日は、青嶋さんのお母さんはいなくて、代わりにお父さんがいて、
テーブルに座り、コーヒーを飲みながら新聞を読んでいた…挨拶しなきゃ!
「おっおはよう…ございます、パパ…」
「…ん?ああ。おはよう美沙希…珍しいな?お前から声をかけてくるなんてな…」
挨拶するときのみ目をこちらに向けたが。すぐに新聞に目を戻し会話はそこで終わった…。
お父さんも青嶋さんに対して無関心な態度…何なの?ここの家族は??
これ以上会話してもボロが出ては困るので、料理をすることにした…。
昨日、下準備したものを冷蔵庫から出して調理を始める。
それと並行して朝ごはんの準備を進めていく、テキパキとこなす…この時がすごく楽しい~♪
お弁当箱におかずを詰めて…これで完成!上手く出来たかな~♪
次が朝ごはんの準備をしていると…いつの間にか、青嶋さんおお父さんが近づいてた!?
「良い匂いがすると思ったら…美沙希、お前が作ったのか?」
「あっ!?…うん、そうだよ」
全然関心が無いと思っていたから、完全に油断していた…。
あーびっくりしたよ、ちょうど朝ごはん用に、ベーコンエッグを焼いてたところだからかな?
「良い匂いを嗅いでたら、少しお腹が空いてきたな…」
「美沙希、俺の分も作ってくれないか?」
「あっうん…いいよ、材料はあるし、パンも食べる?」
「ああ、パンも食べるよ」
「了解~♪少し待ってて」
食パンはまだあるし、トースターにセットして…その間に野菜を適当に切って…。
ついでに、コーヒーを入れるために沸かしておこうかな…。
あれこれ考えながら、行動するのは好きだから、楽しくなってきちゃった~♪
「おまたせ、パパ…どうぞ」
「おお…美味しそうだな…」
青嶋さんのお父さんが、私の作ったハムエッグを口へと運ぶ…。
自分の家族以外で。私の料理を食べてもらうのは初めてで…すごく緊張をするよ…。
「…うん、美味しい…いつの間に、料理が出来るようになったんだ?」
「え!?…あっうん、最近かな?スマホの動画を見ながらだけど…」
とりあえず適当に誤魔化してみた…ツッコまれたらボロが出そうだけど…。
そんな私の心配を余所に、食べることに集中してるようだった。
「ママが、家事をやればいいものを…仕事ばかりで…帰りも遅いし」
「…美沙希には、辛い思いばかりさせてきたな…」
ここの家族は、家での会話がなく…お互いの気持ちがすれ違っている…、
そんな感じがするよ…何か寂しいね。
「ううん、私は…大丈夫…だよ?」
「パパもママも仕事が大変だろうし…家事は私がやるから、心配しないで」
ホントは、私は青嶋さんじゃない…こんな勝手なことはしてはいけない…。
いつか元に身体に戻るかもしれないし…ダメなはずなんだろうけど…、
なぜか放っておけなかった…私が、今できることをしようと思う。
「…美沙希」
「私は、そろそろ学校に行ってきます、食器は、流し台に置いておいてね?帰ってきて洗うから」
「…ああ、分かった、行ってらっしゃい」
「行ってきます!」
唖然としている、青嶋さんのお父さんをの横を通り過ぎて、玄関に向かう。
何故だろう…すごく困った状態なのに、私はやる気に溢れていた…。
学校へと向かう足取りは、すごく軽かった…そう、教室に着くまでは…。
「おはようー美沙希ちゃん!」
「…おはよ、汐里」
「あれ?どうしたの美沙希ちゃん?朝から元気がないね?…生理が…続いてる??」
「…それもあるけど…今日…体育があることを…忘れてたよ…」
私は、運動がすごく苦手で…ちょっとしたトラウマを抱えている…。
球技の授業は、私と組むと必ず負けるというジンクスがあるぐらいで…、
私が入ると…チームメイトにすごく嫌がれるのだ。
「…あっそっか…赤坂くん、運動が苦手だった…よね…」
「女子の間でも…やっぱり知られてるんだね…ハァ…」
それだけでも憂鬱なのに…青嶋さんは、すごく運動が得意なわけで…。
私にどうしろと言うの!?絶対、みんなに怪しまれるよ…本当にどうしよう…。
そんな私の思いは余所に、青嶋はすごく嬉しそうだった…。
「…逆に赤坂くんは、テンションが…高いってわけね…」
「…勘弁して…ほしいよ…」
私のストレスがMAXの状態で、体育の授業が始まってしまった…。
男子はバスケットボールで、女子はバレーボールだった…。
誰とチームを組むんだろう…もうお家に帰りたいよ…。
チーム分けは、ジャンケンで決めるんだけど、
女子の間では、もう仲間同士で何を出すのを決めているみたい…。
「…美沙希ちゃん、グー出してね…」
そう、桃谷さんが耳元で囁いてきた…こっちも決まってるんだね。
ジャンケンの結果、桃谷さんとは同じチームだったので、ホッと一息…。
だけど…私のチームメイトは、「青嶋さんがいれば勝ち確定だね!」
的なムードになっているんですが…これ…どうしたら良いの!?
ふと男子の方を見ると…青嶋さん、俊樹と同じチームみたい…。
ああ…青嶋さんと同じチームのみんなが…すごく残念な顔をしているよ…。
「赤坂と同じチームかよ…」と言わんばかり…そうなるよね…私がいるとね…。
「美沙希ちゃん、頑張ろうね~」
「青嶋さん、頼りにしてるからね!」
私の気持ちを余所に…みんなが盛り上がってるんですけど、もうヤダ…。
朝は、すごく気合が入っていたのに…とても…胃が痛いです…誰か、助けて~!!