第12話 「これからの生活を考えて…」
目立たず、穏やかに高校生活を送るつもりだったのに…。
青嶋さんと身体が入れ替わって、毎日がトラブル続きで…私の胃はもう限界です…。
放課後、靴箱に手紙が入っていて、体育館裏に呼ばれて行ってみたら…。
藍葉くんがいて、朝の登校時の1場面を見られて脅されて…襲われそうになったところを、
親友の俊樹に助けられた…怖くて俊樹に抱き着き、泣きじゃくって…落ち着きを戻したところで。
「あっ!ごめん…抱き着くとか…気持ち悪かったよね?」
私は、慌てて俊樹から離れる。
「いや…気にすんな…お前の身体は柔らかくて…気持ちよかったしな」
「ばっ馬鹿じゃないの!?この身体は、青嶋さんのだし…」
「身体はそうかも知れないが…心はお前じゃないか、皆人」
何、真剣な顔でそんなことが言えるんだよ…男同士だよ?私たちは…。
何なのさっきから…変な気持ち…俊樹の顔をまともに見られない…もう、バカ俊樹…。
「帰ろうぜ、藍葉のことは気にするな…俺が何とかしてやるからな?」
「…うん、ありがとう」
「しかし…お前の猫の真似事は可愛かったな~また見せてくれよ」
「あっ!?それを見てたの?もっと早く助けてよー!!」
「すまん、すまん…あまりの可愛さに見入ってしまったわ~」
「…俊樹の…バカ」
俊樹と言い合いながら、体育館を後にした…もう恥ずかしかった…。
穴があったら入りたいよ…もう…。
そんな恥ずかしい出来事が終わった後に…。
「なぁ、汐里…俺は、何を見せられてたんだろうな」
「良いじゃない、可愛い美沙希ちゃんの姿を見れたわけだし~♪」
「せっかくの告白シーンを見るチャンスだったのに…とんだ茶番だったな」
「見て見て~♪さっきの美沙希ちゃんのニャンコポーズ、上手く撮れたよ~♪」
「何を撮ってるんだよ、まったく…自分の姿を見ても何も感じないわ」
「そう?最近の美沙希ちゃん可愛いから、スマホのフォルダが潤ってるんだ~満足~♪」
「まぁいいや、もう帰ろうぜ」
「うん!」
学校を出た後、買い物に向かうため商店街に向かったのだけど…、
俊樹が心配だと言って、買い物について来てくれた…昔からこういった優しさに助けられてたなー。
そんなことを考えながら歩いていると…。
「なぁ、皆人…青嶋の家ではどうなんだ?上手くやっているのか?」
「…ううん、私の家族と違って、何かと複雑で…」
簡単に昨晩の出来事を説明をした…青嶋さんの両親がケンカしていることや、
青嶋さんには今日がないことなど…。
「うーん、そうか…お前の両親は優しすぎるもんな…他人の家族は難しいものだな」
「うん…今思えば、私はすごく…家族に恵まれていたんだって、そう思うよ」
「でも…あれだろ?お前は何とかしてやりたいんだろう?」
「え!?…うん、さすがは俊樹だね、何でもお見通しだ」
「だって、家族なのに寂しいから…少しでも話ができたらと思う…」
「さすがは皆人だな、何かあったら俺に相談してくれよ、力になるからな!」
「うん、ありがと…俊樹」
ホント…幼馴染みには頭が上がらないな…私の考えとか分かってしまうのだから…。
今日は嫌な事があったけど…少し気分が晴れたような気がする。
「で、何を買うつもりなんだ?」
「青嶋さんの家族って誰も料理しないんだよね…食材を買っていこうかと」
「あとは、お昼のお弁当を作るつもり」
「そっか…皆人、料理は得意だもんな」
「母さんが忙しい時によく手伝ってたら、いつの間にか得意になってた」
「はは、お前らしいな」
私の両親は共働きで、よく家事の手伝いをしていた…そのおかげで妹は何も出来なくなったんだけど。
でも、家事は嫌いじゃないし、誰かのために出来ることってすごく楽しんだよね~♪
そう言うことがが男らしくない!ってよく言われてたんだけどね…。
「お前の料理はおいしいからな…料理は人を喜ばすことが出来るから、きっと上手くいくぞ」
「頑張れよ、皆人…応援してるからな」
「うん、頑張ってみるよ」
独りで悩んでも仕方がないよね…俊樹の言う通り…何か行動を起こさないとダメだよね!
何だか元気をもらえた、今日から少しずつ私の出来ることをしよう、そう家族らしく…。
「うん、とりあえず欲しいものは買えたかな?」
「そっか、良かったな、じゃあ送っていくよ」
「えー悪いよ…買い物だって付き合ってもらった訳だし…」
「まぁそう言うなよ…最後まで付き合ってやるからさ」
「もう…言い出すと何を言っても聞かないんだから…じゃあ…お願いします」
「おう!任しとけ」
なんだかんだ言いながらも私のことを心配してくれる…そんな優しさが嬉しくて、
つい甘えてしまう…ホント、罪な男だよ俊樹って…何でそれでモテないのか不思議だよ…。
幼馴染みとしても親友としても、すごく良いオトコなんだけどな~。
色々と話をしていると、青嶋さんの家に着いた。
「俊樹、ありがとう~送ってくれて」
「ああ、じゃあ、また明日な!」
そう言うと俊樹は、自分の家へと帰っていった…。
さてと…やることはいっぱいある訳だから、出来る範囲でやっていこう。
グッと握りこぶしをして、家へと入っていった…。
青嶋さんの部屋に入り、部屋着に着替えて、部屋の片づけを行う…。
昨日でゴミは処分したから、散らばっている衣服をまとめて洗濯をすることに…。
洗濯機が止まる前に、リビングの掃除をしよう!昨日と同じでゴミを分別して袋に詰める。
「ふーゴミが多いな~」
今日中に出来ることをしていこう…焦ってやることでもないし、
少しずつ…疲れない程度にやっていこう。
明日のお弁当の下ごしらえもしておきたいしね、それは晩ごはん作る時でも良いかな?
あらかた部屋の片づけを終え、洗濯物を干して、晩ご飯を作って食べる…。
その時に、明日のお弁当の下準備を終わらせておいた。
お風呂に入り、ベットに入る…。
「今日も色々とあって大変だったな…明日こそは元の身体に戻ることを信じて…」
かなり疲れていたのか…いつの間にか私は眠りに落ちていた…。
青嶋さんの両親が夜遅く帰ってきたのも気付かずに…。
明日は平和でありますように…そう願わずにいられなかった…。
仕事が忙しすぎて、少し更新が遅れました。
帰ってきてはすぐ寝るの繰り返しで、小説を描く気がまったく起きませんでした…。
何とか更新できて良かったです。
もう少し早く更新できればいいなーと思いつつ、ゆっくりやっていきます!