表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は、憧れのカノジョ!?  作者: アルシィア
10/28

第10話 「これってもしかしてラブレター!?」

それからは、生理痛はあったりと体調管理が大変だけど、青嶋さんらしく振舞えたと思う。

…と言っても私なりだけどね…あんな乱暴な喋りはできないです、はい。


桃谷さんも心配してくれたみたいで、休み時間では何かと喋りかけてくれたし、

俊樹も何かと私に気をかけてくれた…人見知りの私だけど、ホントに良い友達を持ったと思う。

今は辛いことばかりだけど…そんな友人たちの助けですごく助けられている。

泣いてばかりいられない…しっかりしなくちゃ!


特に変わったことが無く、学校での一日が終わり、放課後となった。

変わったことはないけど…クラスの雰囲気が変わったような感じがする…。

喋ったこともない女子から声はかけられるし、男子から視線を感じるし…。

何だか複雑な気分…喜んで良いのか分からない…私は人見知りだし。


「青嶋さんとじっくり話をしないと…はやく、元の身体に戻らなきゃ!」


教室から私たち以外いなくなると、相談を開始した。

いつどこかで私たちの秘密が漏れるか分からないし、何かの問題に発展しかねないから。


「それで…赤坂くんはどうなの?元に戻りたくないの??」


「男の身体は楽でいいしな…俺としては戻る気はないかな」


「え!?そっそんな…」


青嶋さんの気持ちは全然変わっていなかった…私の話をちゃんと聞いている?


「皆人は、元の身体に戻りたいんだよな?」


「とっ当然だよ!この体は青嶋さんのものだし…」


このままでは、青嶋さんを好きになれないじゃないか…男に戻って告白をしたい!

さすがに自分になった青嶋さんを好きになれるはずもなく…自分に告白とか無理!


「でも…どうやって元に戻るんだろ?入れ替わったときのように、お互いぶつかってみる?」


「俺は嫌だな…あの痛みは…もう一度味わいたくないよ」


「うん…確かにあの痛みはヤバかったもんね…でもそれ以外に方法が…ないのかも」


青嶋さんの身体を、傷つけたくないし…。

でも戻る方法が分からない…入れ替わったときの状況を再現するしか…方法が見つからない。


「うーん、分からないことをここで話し合っても、何も進まないね」


「そうだな…とりあえずやってみるのも手だな、入れ替わった場所も関係あるのかもな」


やっぱりそうかな…ただぶつかれば良いわけではなく、同じ条件を再現しなくちゃダメなのかな…。

うん…そうだよね、それしかないような気がしてきた。

青嶋さんは渋々と言った感じで…。


「とりあえずやってみるか…痛いのは勘弁なんだけどな~あ…めんどくせー」


「もう…赤坂くん?美沙希ちゃんのためだよ?言うこと聞かないなら…耳ひっぱとく?」


「いや…冗談だよ~信じるなよ、汐里」


「どきっ!?やっぱり…慣れないな…カッコいい~♪」


桃谷さんの表情がころころと変わって面白い。

怒ったり照れたりと忙しい…ホント可愛いな~。


「とりあえずその場所に行ってみるか?皆人、案内よろしく」


「…うん、分かった」


とりあえずみんなで出した結論を検証するために、あの場所に向かうことになった。

どうなるか分からないけど…少しでも青嶋さんが動いてくれたのは嬉しかった。

お互い、このままで良いわけじゃないしね…。


教室を出て、廊下を歩く…その時に桃谷さんが不思議そうに質問をしてくる。


「でもさ~どんなきっかけで、身体の入れ替えなんて起こるんだろうね?」


「だよな~お互いの身体をぶつけただけで、身体が入れ替わるか?普通」


「そんな日常的にあるようなこと、頻繁に起きてたら…世界中、入れ替わりばかリ起きるぞ?」


「だよね?だよね~そこが不思議なんだよね~」


桃谷さんと俊樹の会話を聞きながら、私もそう思う…そんな簡単に起きるもの…かと。

身体の衝突以外に…他に要因があったのだろうか?いくら考えても…答えが見えてこないよ…。

そんな結論の出ない話を聞いていた青嶋さんは…。


「あ~めんどくせ~な、帰ってやりたいことがあるのに…」


「え!?やりたいことって?」


「せっかく男になったんだからさ、身体鍛えたいじゃん?筋トレとかランニングしたいんだ」


「お前の身体ってヒョロヒョロだからな…鍛えたいと思った」


え!?私の身体って、そんなにヒョロヒョロだったかな…。

少しは、筋トレとかストレッチをしていたんだけど…。

青嶋さんの基準が分からない…ムッキムキになりたいのかな?うーん。


「女の時も鍛えてたけど…限界があったしな~今は結果が、すぐ出て楽しいわ!」


「そっそうなんだ…」


青嶋さんは…すごく嬉しそうだった、やっぱり元の身体に、戻る気はないのかな…。

どうして、そんなに普通に過ごせるのか…私には理解ができないよ…。


みんなと雑談をして、玄関で靴箱を開けると…なにこれ!?


「…なんか、手紙が入っているんだけど…」


「お!?皆人、それは…ラブレターと言う奴ではないか?良かったな!!」


俊樹が嬉しそうにそう言ってきた…他人事だと思って、面白がってるな…ムカつく!


「何か久しぶりに見る光景だね~最近は全然もらってなかったのに」


「だな!毎回、靴箱に入れるとか…男らしくないぞ!面向かって話に来やがれってんだ!」


青嶋さんは、何かキレてた…ホント男らしいと言うか…豪快と言うか…そこがカッコいいんだけど!

でも困ったな…これ私が貰ってもどうしようもないんだけど。

青嶋さんに聞いてみるかな?


「青嶋さん、これ…どうすればいいの?」


「ん?別にどっちでも良いそ、受けても断っても、俺には関係ないしな」


「えー!?青嶋さん宛てのものなんだけど…」


「青嶋は、今はお前なんだから、お前が何とかしろ!」


またそんな無茶ぶりを…こんな体験を産まれてから一度もないわけで…、

私にどうしろと…そう悩んでいると俊樹が…。


「とりあえず中身を見て見れば?誰から貰ったものだから分からないしな」


「…うん、そうだね、開けてみる」


とりあえず置いてあった手紙は、『青嶋さんへ』と書いてあるだけ、裏面は…何も書いてない。

中身を空けてみる…1通の便箋が入っていて…その中身は。


『青嶋さんにお話ししたいことがあります。今日の放課後に体育館裏でお待ちしております。』


文章のみで、名前は書いていなかった…どうしたら良いんだよ~!


「これは…面白くなってきましたね、赤坂くん…」


「まったくだ、自分の時はめんどくさかったが、他人だと面白いな!」


「とりあえず、今日の所は解散だな!俺は家に帰るぞ!!」


そう言って青嶋さんは、玄関を出て行った…それを見た桃谷さんも玄関を出ていく。


「美沙希ちゃん、また明日ね~」


ささくさと2人はいなくなってしまった…あれ?身体を元に戻す検証をするのでは…。

私は、1人だけ盛り上がって事を知り愕然とする…みんな他人事すぎだよ…もう。

また胃が痛くなった私を見ていた俊樹が…。


「それで、どうするんだ?体育館裏に行くのか?」


「このまま放っておくわけにも行かないから…行きたくないけど行ってみる」


「そっか、待っててやるから、何かあったら俺を呼べよ?」


「うん、ありがと…ちょっと行ってくる」


不安しかないけど、とりあえず指定された体育館裏に向かうのでした…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ