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聴くことの無い言葉



病室に入ると呼吸器をつけられ


何本もの管が繋がれた全体的に黄色がかった


意識の無い叔父と簡易な椅子に腰掛け


ボーッと風景を眺めるように叔父に


視線を落としている母の姿があった。


母は僕に気づくと


「あー来たってくれたんか?叔父ちゃん


もうしゃべられへんようになったらしいわ


韓国語も覚えたのになー


ほんで癌は肝臓にも転移しててなー


いつまでもつか分からんらしいわー」


と淡々と感情の伺えない口調で僕に説明した。


僕は母の近くに寄るとそのまま叔父を見て


しばらく言葉を出すことが出来なかった。


浮かんた感情は呆気ない幕切れ


身から出た錆、因果応報、自業自得、


冷たいと思うかもしれないが


そんな言葉ばかりが頭の中を埋め尽くした。


感情を出さない僕に母は


「ありがとう、来たってくれて


もうええよ、、忙しいやろ」


と僕にこの空間から出ていく口実を


作ってくれた。


母の中ではもしかしたら何かの期待が


有ったのかもしれないが


僕には優しい言葉も同情の気持ちも


産まれる事は無かった。


そして奥さんはゴールデンウイークの日に


実家に帰ったままもう帰ってくることは


無かった。


呆気なく僕たちは離婚した。


奥さんは繁華街で使う為に多額の借金を


していたのが発覚した。


離婚後彼女は自己破産をして


優希は僕が引き取る事になった。


今でも悔やむが僕が仕事に熱中し過ぎて


ほったらかしにし過ぎたのが原因だと思う。


友達も周りに居なく知ってるお店もないのに


その事に僕は気付けなかった。


その後


叔父は大きい声は出せなくなったが


なんとかやっと聞き取れるぐらいの声を


出せるまでに体調は回復し


生活保護と年金で暮らしていくことになった。


たった3年の結婚生活は幕を閉じた。


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