式の後に
そして当日
173cmあった彼女がドレス用のハイヒールを
履くと180cmは余裕であった。
そこで僕は生まれて初めて
浜村淳なみの上げ底の靴を履くはめになった。
式には親戚やいつもの常連さん数々の芸者さん
そして高校時代コウノキャンプの常連だった
友人たちが参加してくれた。
わずか21歳での結婚はみんな中では一番早かったもあり
盛大に盛り上がった。
父を初めて見る者も多くそして父もどこか
居場所を探してるような感じがした。
父はとても歌が上手でみんながプロに
なったら良いのにと言うぐらいだった。
父はスピーチの代わりに
息子と言う演歌を僕に向けて歌ってくれた。
「今日はー♪息子にー♪嫁がくーる」
と言うフレーズを歌った途端に
父の目から涙が溢れだし
僕はもらい泣きまではしなかったが、
この日までの21年間を思い出した。
父にとっても僕たちへの存在
というか関わりというか
不本意な気持ちもあっただろうし
そんな父が人前で涙を流して
僕にメッセージを贈ってくれたこと
素直に感謝して感動した。
両家の最後のスピーチは母が行った。
長年
芸者で舞台に立っていたからか
場馴れしていてとても堂々とした
かっこ良い凜とした姿が印象的だった。
母が何を言ってくれたかは正直緊張して
全く覚えていないのだか
尊敬と感動という感情だけは覚えている。
新婚旅行は定番のハワイに行った。
数日間を楽しく過ごし帰国すると
就職先だった新規オープン和食の会社が
オープン前に倒産していた、、
僕は思った。
(何?この人生?)
僕は所帯を持った瞬間に無職になった。
一番寒さの厳しい2月の朝だった。




