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未来の行方



母の体調も落ち着き漸退院をした。


すぐに次の日から店を始めて


エネルギッシュに働いていたのには


その元気さに驚きと安心を感じた。


ただ僕の仕事うまく行かなかった。


とうとうアクセサリー屋が社長の競艇の借金で


倒産して僕の給料も未払いのままだった。


仕方なくと言う言葉は正確ではないが


僕は毎日、母のお店を仕込みから


手伝うようになった。


ただこのままでは母が準備してくれたレールを


何も知らないまま走ってしまうのだなと言う


申し訳なさと自分への不甲斐なさも感じていた。


一方彼女との方はお父さんがとても厳しくて


とても怖い人で会わない時に電話を掛けても


必ず


「居ません」


とだけ言われて切られていたので


業を煮やした僕はとうとう直接


実家まで会いに行った。


最初は玄関にも出て来てもらえなかったが、


彼女のお母さんが無理矢理


家にあげてくれてようやく挨拶が出来た。


しばらくは無言のままが続いたが


僕は外面だけは良かったので


次第に気に入られ


何故かその日に一気に結婚したら良いと


笑顔で言われたのには驚いた。


そして数ヵ月が経ち両家の挨拶も済み


いよいよ結婚する日取りを


決めるまでの段階になった。


僕は母に言った


「お母さん、このままお母さんの


世話になりっぱなしで外の世界知らんと


家庭はもたれへんから


他の料理屋に就職したい」


母は賛成してくれた。


その時のやり取りは記憶が曖昧で


ちゃんと覚えていないが


はっきと覚えてることは叔父を結婚式に


呼ぶか呼ばないかの話だった。


何故か僕は来て欲しいと思っていた。


どんなに酷いことをされていても


父と呼べるような存在は実際に叔父だったし


教えてもらって


今でも役に立っていることは沢山あった。


だから祝って欲しいという気持ちより


うまくは言えないが感謝に似た感情だった。


でも母は強く反対した


「あんたの気持ちは嬉しい


けどなうちらの親戚だけやったら


まだあれやけど相手のご家族に


万が一にも迷惑掛けられへんし


かといってお酒は勧めないで下さい


とも言われへんから」


もっともな答えだった


だが続けてこう繋げた


「でもあんたが来て欲しい言うてたんは


叔父ちゃんには伝えとくわ」


そして挙式を3週間後に控えた時に就職が


決まった。


わりと高級感のある和食屋で


1ヶ月後オープンのお店で全てを新しく


スタート出来る希望も沸いた。


そしてとうとう式当日を迎えた。


新年明けてのよく晴れた吉日


日曜日だった。

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