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伝わる熱意



その1週間休むことなく


毎日通ってきたその人は当然


家か職場が近くて


ウィンドウショッピングなどが


好きな人なんだなと思っていた。


でもさすがに3日目にもなるとそこそこ


仲良く話すようになり仕事などを聞くと


奈良でしているらしく住んでいる場所は


なんと奈良の更に山奥だった。


毎日仕事を終わってから高速で来ていると


言われてめちゃくちゃ驚いたのと同時に


なんかとても申し訳ない気持ちになった。


だが同時に嬉しさも感じて


僕は感謝の気持ちとで


「じゃその日は仕事終わってから


僕が電車で送りますね」と言った。


その人はとても喜んでいた。


当日いつもワイシャツにジーンズの


ラフな格好が多かったその子は


ワンピースのタイトなスーツで現れた。


僕はあまりの綺麗さに目を奪われてしまった。


店を閉めると軽くご飯を食べ


大丸近くから御堂筋線に乗った。


天王寺から橿原神宮前までの特急券を買った。


「家から橿原神宮前までは車で来てるねん」


初めて敬語を崩した表現に少しドキっとした。


そして並んで座った座席で告白をされた。


彼女が言うにはその日たまたま


アメリカ村に行ってみたくて


生まれて初めて来た日が出会いの日だった事


一目惚れしてしまったたから毎日通った


と言われて


僕は彼女の熱意と綺麗さにとても嬉しくなり


その子と付き合うようになった。


毎日が楽しく僕の友人とも


仲良くしてくれたので


なんとなくだが


次第に将来を意識するようになった。


でも仕事で問題が生まれた。


社長の競艇狂いに拍車がかかり


毎月の給料が必ず遅れるようになった。


このままでは将来など考えられないと


悩んでいた時に


そうだ!やっぱり


料理の仕事をしようと突然思い立った。


そんな時


僕達の付き合いも料理の仕事をすると


決めたことも喜んでいてくれた母が入院した。


初期の直腸癌だった。


見た感じ母はとても元気そうだったが


手術が必要だということで


僕は一旦仕事を探すのをストップして


母の病院に毎日通った。


手術も終わりやがて2週間もすると


母は普段の元気さを取り戻し僕にこう言った


「あの子ええ子やんか


お母ちゃん家庭持ったことないから


あんたには幸せな家庭持って欲しいわー」


と僕はまだ漠然としか考えてもなくて


現実にも思えてなかった《結婚》


と言う言葉を初めて強く意識した。


20歳がもうすぐ終わりを告げる


9月のまだ残暑厳しい夕方だった。

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お読みになって頂きありがとうございます 小説家になろう 勝手にランキング
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