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暗中模索



次の日から早速


アメリカ村のアクセサリー屋さんの店長に


お願いしてレギュラーで入らせて


もらうようになった。


朝10時から夜7時の今から思えば


本当に楽ちんな仕事だった。


ただひとつの問題と言えばオーナーが


大の競艇好きで大きく売上げた日などは


その売上金を持ってそのまま競艇場まで


行ってしまったりで


結局毎回給料が遅れたりと、、、


ただその時の僕にはどうでも良い事だった。


特に何の希望も目標もなく


1日のただのルーティンのひとつで


アクセサリー屋に通っているような


感覚だったから


毎日10時に店に行って7時帰って


ご飯を食べて仮眠して夜中に起きて


伯母の部屋を見張っていた。


このまま一生こんな生活かなとも思ったが


特に何を努力するでもなくただ漠然と


何かしっくりこない


気持ちのモヤモヤを抱えたままの毎日だった。


そんな生活の中突然


めちゃくちゃ大好きだった彼女との別れが


本当に突然訪れた。


元々歳上の彼女には別れた旦那さんが居て


莫大な借金をお子さんの


学資保険や学校費用を担保に


作ってしまったらしい。


彼女から最後の言葉は


「まだ若くて将来のあるあなたには


迷惑を掛けられない、私なんか忘れて


幸せになってね」


元気に笑顔で振り返りもせず


彼女は特急へと乗って行ってしまった。


、、、しばらくして別れた彼女から


一通の手紙が送られてきた。


その中には母へのお礼の言葉と


彼女が詠んだ短歌が綴られていた。


《愛おしき 君待つという いばらみち


 万里の絆 楽しみて綯う》


彼女の本当の気持ちがそこには書かれていた。


あんなに呆気なくバイバイと手を振って


大阪駅の雑踏に消えて行ったのに


こんなに想っていてくれたのかと


どれだけ彼女に守られていたのかと


その晩は手紙を何度も読み返してその都度


涙ぐんで一晩を明かした。


同時にこんなぐうたらな生活じゃ


母にも彼女にも申し訳ないと考え


自分の将来の仕事


というか生活を見つけなければと決意した。


もうすぐ20歳になる夏の終わりだった。

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