変化と交わり
その日以来叔父は社会との
繋がりを自ら作り始めた。
どうせまた、、と思っていたが
しばらくすると夕刊の配達を始めた。
そして毎週火曜日と金曜日は
新聞の配達が終わった後
そのまま本当に韓国語を習いに行った。
半年ほどで日常会話には困らない程に
上達していたのには、みんな頭の賢さに
驚きそして現状にため息をした。
そんな中で母はやっぱり
どことなく嬉しそうに見えた。
誰も囲むことが無くなっていた
居間のテーブルを新調し
キッチンをさっぱり綺麗に片付けていた。
もしかしたらまた食卓を囲める日が
やってくるかもしれないと期待している
感じが伺えた。
僕はと言うとインスタントラーメンや
レトルトカレーを作る時に
キッチンへと降りては行ったが
やはり叔父に自分から声を掛ける気には
どうしてもなれなかった。
例えるとたまたま立ち寄った居酒屋で
隣合わせた客みたいな感じで
お互いを気にすることも無く
配慮する事も無くなっていった。
夜中の罵声も無くなり
少し家での空気も和らいできた頃
僕の環境に大きな変化が起きる。
毎日学校とクラシックギターの練習と
友達との語らいにだけ時間を使っていた僕に
本格的に付き合う事になった彼女が出来た。
中学校の同級生で中学2年の終わりに告白して
振られ中学3年の終わりにまた振られ
高校1年の終わりにようやくOKをもらえた
本当に念願叶った彼女だった。
僕は有頂天になり友達との関係も
家での空気も気にせず
彼女に夢中になっていった。
高校1年も終わりに掛かった春のことだった。




