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探偵ごっこ



その晩


いつものように跳び跳ねるペコを乗せ


エレベーターの1階ボタンを押した叔父は、


普段と変わらず散歩へと出かけた。


コースはだいたい決まっていた。


家の前の道を左に周りぐるりと


大きく公園を通ってくる道だ。


5分程経った後


僕と母は意を決してエレベーターに乗った。


下に着くとまず近くに居ないか


注意深く辺りを確かめた。


「僕、右に行くからお母さん左から行きや」


と言って別々の道から


こっそりと探す事にした。


裏路地を通りそのまま公園が見える道へと


差し掛かった所に母が居た。


「今そこに叔父ちゃん立ってるわ」


と小声で僕を引き寄せ呟いた。


見ると公園近くにある酒屋の自販機の前に


キョロキョロと周りを見渡す叔父が居た。


安全だと思ったのかおもむろに


お金を入れワンカップを買った。


それを勢いよく飲み干すと


すぐさまもう一本ワンカップを買い


また一気に飲み干した。


母はガッカリした表情で


「やっぱり…」と言うと


「先に家、帰っとかな」


と合図をすると叔父に気付かれぬように


すぐさま引きかえした。


家に着き何事もなかった様に


叔父の帰りを待っていると


「おー今帰ったわ」


と上機嫌で叔父が戻ってきた。


僕はちょっとドキドキして


よそよそしく振る舞ってしまった。


すると叔父は


「なんだー?俺の顔に


なんかついとるんかい?」


と目をギラつかせてニヤリと笑った。


二階の部屋へと上がる叔父を見上げながら


「とりあえず知らん振りしとこ


このままで済むんやったらええねんけど」


と心配げに母は言った。


僕はここ一年ぐらい続く


平和な家庭での生活に慣れてきた頃だったが


昔の暴力を受けた日々を思いだし


このままで終わるはずがない


と目の前が真っ暗になるのを覚えた。


もう少しで学年が変わろうとする


いつにも増して寒い2月が終わる頃だった。

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お読みになって頂きありがとうございます 小説家になろう 勝手にランキング
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