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新しい我が家


ナツと別れて以来


僕はなるべく目立たない様に


学校生活を送っていた。


描いていたよりつまらないまい毎日だなと


半分諦めていた。


やがて中学1年の終わり


とうとう1年半かかって


待ちに待った新居が完成した。


9階建てのビルで1階が母の新しい店だ。


8階と9階がメゾネット式のマンションで


8階に母の部屋とダイニングキッチン


9階に僕と叔父と伯母の部屋があった。


部屋は将来の事を考えて


12畳の部屋を叔父と僕とで


真ん中を壁で仕切って使用する事となった。


父は誇らしげに


「1年半かけたんは訳がある


どんな地震きても大丈夫やで」


と言ってくれた。


新しい我が家


何もかもが順調に見えた。


これで全てがうまく行くはず


そう願った。


新居にはみんなが来たがり


いつしか常に誰か友達が家に居る


そんな場所となっていた。


叔父は僕の友人達と好んでは


コミュニケーションを取ろうとしなかったが


かといって別段嫌ったりする様子もなかった。


1ヶ月ぐらいは変わらない普段が続いていた。


叔父の毎晩の日課は


飼っていたペコと言う犬を


散歩に連れて行く事がお決まりだった。


新居も落ち着き数ヵ月が過ぎた頃


僕と友達が晩ご飯を一緒に食べ


おかわりを注ぎに台所に降りた時だった。


叔父がいきなり友達にむかって


「人んちの飯ばっかり喰うな!」と怒鳴った。


僕の部屋に戻った友達は


「お前のお父さん恐いなぁ」と僕に言った。


僕は


「おとんと違うで」とだけ言った。


友達は僕のその暗い表情を見て


そのまま黙ってしまった。


夜に母にその出来事を話すと


「そういえば最近、叔父ちゃんの目が鋭い


あんたなんか気になる事ある?」


と聞いてきたので


僕は少し考え


「うーんペコの散歩が長なったかなぁ…」


と答えた。


母は


「じゃ次、店休みの時に


こっそり着いて行ってみよか?」


と言い出した。


そして土曜日の晩


叔父はいつもと変わらず


ペコを散歩へと連れ出した。


僕と母は黙ってそっと目を合わせた。

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