告白
僕がずっと続けていた習い事に
英語塾があった。
地域の真ん中にあり2つの小学校から
生徒達が習いに来ていた。
僕はその塾に通う事が楽しみで仕方なかった。
家に居ないで済むし何より皆と仲が良かった。
その中で唯一ちゃんと喋れない女の子が居た。
ナツと言うとても綺麗な整った顔立ちで
成績優秀な女の子だった。
ある塾の帰り
友達と自転車に乗って帰るところ
悦子と言うナツと共通の友達に
声を掛けられた。
「たかよし、これナツから」
と一通の手紙を渡された。
かなりドキドキ動揺しながら
友達との会話も上の空で家に急いで帰った。
部屋に入りドアを閉め
誰も来ないのを確認すると
その紫色の便箋の封を丁寧に開いた。
5年生の時に塾で会ってから
ずっと好きだったという内容と
今度一緒の中学になるから
是非付き合って欲しいという内容だった。
最後に出来るだけ早く返事が欲しいから
家に電話をして欲しいと
電話番号が書いてあった。
僕は20分間ぐらいただ電話機の前で
オロオロとしていた。
大きく深呼吸をしようやく重いダイヤルを
ゆっくりとひとつずつ回した。
「もしもし…」と
いきなりナツが電話に出た。
僕は予測していなかった事態に
頭が真っ白になった。
やっとの思いで
「あの…手紙見た…あの、嬉しかった。
…ありがとう…」となんとか言葉を続けた。
ナツは少し落ち着いた大人びた感じで
「え?うん、でも、それだけ?」
と聞いてきた。
前からナツの事が好きだった僕は
「俺もナツを前から好きやから付き合いたい」
と言った。
ナツは急にホッとした声に変わって
「ありがとう、次の塾の時
たかよしの写真ちょうだいねっ」と言った。
僕は有頂天になり
「ナツの写真、ちょうだいね」と言った。
ぎこちない会話の中
ほっとした感情で受話器を置いた。
小学6年の秋
初めて彼女という存在が出来た。




