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生還



精神科の断酒病棟に入院した叔父は


何度も禁断症状を繰り替えした。


暴れだし叫び出し休む事なく暴言を吐く。


やがて酒が切れ衰弱し震えが止まらなくなる。


初めの数日間はベッドに手足を拘束され


中には入れず個室の外から


怯えながら叔父の様子を伺う事しか出来ない。


母はほぼ毎日のように病院へと足を運んだが


僕はなかなか病院には行ける気持ちには


なる事が出来なかった。


怖くて見たくないという気持ちと


なによりずっと苦しむ呻き声が


鳥肌が立つほど気持ち悪かったからだ。


そんな僕の気持ちを察してか


母は次第にお見舞いに


僕を連れて行かなくなった。


やがて1ヶ月が過ぎた頃


とうとう叔父は家に戻って来た。


何故か左手にはギブスをしていた。


どうやら禁断症状で痙攣が起こり


ベッドから落ちて骨折したらしい。


叔父は僕を真っ直ぐ見据えて


「たかよし今まですまんかった。


今度こそ酒とは縁切ったから」


そう言って頭を下げた。


その新しく生まれ変わったような叔父の表情に


僕はなんだか希望が持てた。


そして


「叔父ちゃん新しい家楽しみやね」と言った。


叔父も


「うん、そうやな」と笑ってみせた。


母がなんとなく涙を浮かべていたのを


記憶している。


その次の週叔父は


ギブスをしたまま


断酒会の卓球とテニスの大会に出て


なんと2つとも片腕で優勝してしまった。


正直とても驚いた。


そして僕は思った。


叔父にもう一度


人生をやり直させてやれたらなぁって


胸を張って生きてる人生を。

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